大磯丘陵

大磯丘陵は、神奈川県西南部、中郡大磯町を中心に、平塚市西部、秦野市南部、中郡二宮町、足柄上郡中井町、小田原市東部にかけて広がる丘陵地帯です。

地形と地質

この丘陵は、北側を東西に走る渋沢断層によって秦野盆地と、西側を国府津-松田断層によって酒匂川低地（足柄平野）と区切られています。東側は、鷹取山や高麗山などで相模平野と接する隆起した地形です。地質的には、大部分が新生代第四紀中期の砂や泥の層、そして関東ローム層から構成されています。南東部には、新第三紀末に堆積した鷹取山層と大磯層、新第三紀中葉の高麗山層群が分布しています。

中井町北部から二宮町にかけては、葛川や中村川によって浸食されてできた「谷戸」と呼ばれる独特の地形が見られます。この谷戸は、丘陵地帯における自然の恵みと、人々の生活が調和した場所として、貴重な景観を形成しています。

呼び名

秦野市では、大磯丘陵のうち秦野市内のエリアを指して「渋沢丘陵」という名称を使用しています。また、古い資料では、大磯丘陵を「大磯地塊」や、かつての地名である淘綾郡から「淘綾丘陵」、「餘綾丘陵」と呼ぶこともありました。これらの呼称は、地域における歴史的な変遷や、地形に対する認識の変化を物語っています。

主な施設

大磯丘陵内には、以下のような緑地や公園、文教施設が点在しています。

土屋霊園（平塚市）
湘南平（高麗山公園）（平塚市/中郡大磯町 ※境界未定地）
神奈川県立大磯城山公園（中郡大磯町）
吾妻山公園（中郡二宮町）
震生湖公園（足柄上郡中井町、秦野市）
神奈川大学湘南ひらつかキャンパス（平塚市）（2023年3月閉鎖）

これらの施設は、地域住民の憩いの場や、教育、文化活動の拠点として、重要な役割を果たしています。特に、公園は自然を身近に感じられる場所として、多くの人々に親しまれています。

交通

大磯丘陵を通過する主な交通としては、以下のものがあります。

東名高速道路
小田原厚木道路
東海道新幹線…路線の直進性を確保するため、丘陵を貫通する多数のトンネル（出縄・第1～3生沢・小原・第1～3根柄見・借宿・開戸・天神山・弁天山トンネル）が存在します。
神奈川県道71号秦野二宮線
* 神奈川県道77号平塚松田線

東海道本線、国道1号、西湘バイパスは、この丘陵の南側を通過しています。これらの交通網は、地域間の移動を円滑にし、経済活動を支える重要な役割を担っています。

大磯丘陵は、その地形、地質、歴史、そして人々の生活が複雑に絡み合った、魅力的な地域です。自然と文化が調和したこの場所は、訪れる人々に豊かな体験を提供します。

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