中山兼宗

中山兼宗

中山兼宗（なかやま かねむね）は、平安時代末期から鎌倉時代前期にかけての公卿であり、歌人としても知られています。長寛元年（1163年）に、内大臣・中山忠親の長男として生まれました。中山家二代目として、 उच्चい地位と文化的な才能を受け継ぎました。

経歴

兼宗の生年については、いくつかの説があります。『公卿補任』に基づけば長寛元年（1163年）となりますが、『山槐記』には兼宗の年齢が15歳と記されており、応保元年（1161年）生まれとする説も存在します。

仁安2年（1167年）に叙爵し、侍従、左近少将、右近中将などの官職を歴任。阿波介、伊予権介、播磨権介、備中権介も務めました。建久4年（1193年）には蔵人頭に補任され、建久6年（1195年）には参議に任ぜられ、権大納言を経て建暦元年（1211年）には正二位大納言に至りました。

議政官としては、大嘗会御禊次第司御後長官、加賀権守、中宮（九条立子）大夫、按察使などを兼帯しました。建保6年（1218年）には、子息である忠定を参議に推挙するために自らは大納言を辞任しましたが、承久2年（1220年）には忠定を解官させています。これは、「子強好交衆、又増不孝耳」（『明月記』寛喜元年4月9日条）とあるように、父子の間に深い確執があったためとされています。天福元年（1233年）には、三浦義村や藤原定家の調停を受けるほど、その確執は深刻なものとなりました。嘉禎元年（1235年）には大隅国の知行国主となっています。仁治3年（1242年）9月3日に薨去。享年80歳でした。

歌人として

歌人としては、『千載和歌集』に1首（歌番号328）、『新古今和歌集』以後の勅撰和歌集に20首が入集しています。建久2年の若宮社歌合、六百番歌合、千五百番歌合、経房家歌合など、多くの歌会にも参加しました。

藤原定家は、『井蛙抄』巻六において、「歌は兼宗大納言、束帯にて陣座に着て。公事をこなひたる様によむべし」と評したと伝えられています。また、治承3年（1179年）正月の高倉天皇の朝覲行幸の御遊に伺候し、初めて箏の役を務めて以来、建久5年には楽所別当にも補され、様々な和歌会や御遊で箏や琵琶の演奏を担当しました。

系譜

父：中山忠親
母：権右中弁・藤原光房の娘
妻：藤原重家の娘
長男：中山忠定（1188年 - 1256年）
生母不明の子女
男子：中山仲親
* 男子：良豪

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