中山忠親

中山忠親（なかやま ただちか）

中山忠親は、平安時代末期から鎌倉時代初期にかけて活躍した公卿で、藤原北家師実流、花山院家出身の藤原忠宗の三男として生まれました。官位は正二位・内大臣にまで昇り、中山内大臣、または堀河内大臣と称されました。彼が中山家の始祖となります。

経歴

1140年に従五位下に叙せられたのを皮切りに、蔵人、近衛少将・中将、蔵人頭を歴任しました。1164年には参議となり、1167年には従三位権中納言に昇進、さらに右衛門督・検非違使別当にも任じられました。兄である藤原忠雅と同様に平氏一門と親しく、平徳子（建礼門院）の中宮権大夫・建礼門院別当として仕えました。後白河法皇の院庁別当にも名を連ね、有職故実（朝廷の儀式や制度に関する知識）に明るく、「年来礼儀作法の道を営む、当時頗るその褒（ほまれ）あり」と評されるほどでした。治承三年の政変では、解官された甥の花山院兼雅に代わって春宮大夫となりました。

1183年正月には正二位・権大納言に昇進しましたが、同年7月に平氏一門が都落ちした後は昇進が停滞しました。しかし、1185年12月には源頼朝から有職の公卿として評価され、議奏公卿に推挙されました。1191年には内大臣に就任しました。1194年に出家し静和と号し、翌年3月に65歳で亡くなりました。

晩年には、洛東の中山（現在の左京区黒谷町から岡崎周辺）に別宅を構えたことから中山内府（内大臣）と呼ばれ、これが後の家名となりました。

文化活動

日記として『山槐記』を著し、また『水鏡』の作者とも考えられています。

官歴

1140年：従五位下
1149年：左衛門佐
1150年：蔵人
1151年：従五位上、解官、蔵人に還任
1152年：正五位下
1154年：播磨権介
1155年：蔵人を辞任、蔵人に還任
1156年：右少将
1157年：尾張権介
1158年：左近衛中将
1159年：従四位上
1160年：正四位下、蔵人頭
1162年：中宮権亮
1163年：因幡権守兼任
1164年：参議、左中将・中宮権亮・因幡権守如元
1167年：従三位、備前権守兼任、権中納言
1168年：正三位
1176年：従二位
1177年：右衛門督、検非違使別当兼帯
1178年：中宮権大夫
1179年：右衛門督・検非違使別当を辞任、春宮大夫
1180年：正二位、春宮大夫を辞任
1181年：建礼門院別当
1182年：中納言
1183年：権大納言
1189年：大納言
1191年：内大臣
1194年：内大臣を辞任、出家

系譜

父：藤原忠宗
母：藤原家保の娘
同母兄：花山院忠雅
妻：藤原光房の娘
長男：中山兼宗
男子：中山忠季
妻：平時忠の娘
三男：中山兼季
男子：中山忠明
生母不明
男子：親覚
男子：雅明
男子：中山忠輔
男子：覚敒
男子：親慶
男子：覚紹
長女：三条公房室
女子：順徳院女房
* 女子：宜秋門院御匣

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