九条良平

九条良平

九条良平（くじょう よしひら）は、鎌倉時代前期の公卿です。関白・九条兼実の三男として生まれ、兄である九条良経の養子となりました。その官位は従一位にまで昇り、太政大臣に任ぜられ、「醍醐太政大臣」と称されました。

経歴

以下に、『公卿補任』および『尊卑分脈』に記載された内容に基づき、九条良平の経歴を詳細に記述します。

正治2年（1200年）: 12月20日、従五位上に叙せられ、同月28日には侍従に任ぜられました。
建仁元年（1201年）: 1月6日、正五位下に昇叙。同月29日には左少将に任ぜられます。
建仁2年（1202年）: 1月22日、土佐権介を兼任。閏10月24日には左中将に転任し、春宮権亮も兼ねます。
建仁3年（1203年）: 1月5日、従四位下に昇叙。10月24日には従四位上に昇叙し、12月8日には正四位下に昇叙しました。
元久元年（1204年）: 3月6日、参議に任ぜられ、左中将は元の如し。4月12日には従三位に昇叙。
元久2年（1205年）: 1月29日、備後権守を兼任します。
建永元年（1206年）: 1月16日、正三位に昇叙。4月25日、復任。
承元元年（1207年）: 6月26日、復任。
承元2年（1208年）: 1月5日、従二位に昇叙。7月9日には権中納言に転任し、同月19日には勅授帯剣を許されました。8月8日には皇后宮権大夫を兼ね、10月14日には正二位に昇叙。
承元3年（1209年）: 4月25日、皇后宮権大夫を辞任。
建暦元年（1211年）: 1月18日、権大納言に転任。
建保元年（1213年）: 12月13日、母の喪に服します。
承久3年（1221年）: 閏10月10日、大納言に転正。
元仁元年（1224年）: 12月25日、内大臣に転任。
嘉禄2年（1226年）: 白馬踏歌の内弁を務めます。
安貞元年（1227年）: 4月9日、左大臣に転任。
寛喜2年（1230年）: 10月25日、左大将を兼任。12月25日、左馬寮御監。
寛喜3年（1231年）: 4月18日、上表し、左大臣左大将を辞任。息男である高実を権大納言に申任。
嘉禎4年（1238年）: 7月2日、内蔵頭信盛を使いとして太政大臣に任ずべしと仰せが伝えられ、7月20日に太政大臣に任ぜられ、同日に従一位に昇叙。
暦仁2年（1239年）: 1月19日、病により出家。
延応2年（1240年）: 3月17日、播磨国にて薨去。享年57。醍醐太政大臣と号されました。

修理職との関わり

遠藤珠紀氏の研究によれば、修理職には長官である修理大夫とは別に、実質的な統括者である「職務」が存在していました。寛喜年中に修理職を拝領していた良平は、安貞元年（1227年）10月に三条基定を修理大夫に推挙しており、このことから、良平が修理職の知行者（「職務」）として実質的な支配権を有していたことが示唆されています。

系譜

父：九条兼実
母：修理大夫藤原頼輔女
養父：九条良経
妻：藤原範光女
男子：藤原高実
左京大夫兼教女
男子：最源 - 天台座主第90世
生母不明の子女
女子：小倉公雄室
男子：教房
男子：良輝
男子：良頼

参考文献

『公卿補任』（新訂増補国史大系）吉川弘文館 黒板勝美、国史大系編集会（編）
『尊卑分脈』（新訂増補国史大系）吉川弘文館 黒板勝美、国史大系編集会（編）
遠藤珠紀、「鎌倉期朝廷社会における官司運営の変質：修理職・内蔵寮の検討を通して」、『史学雑誌』2005年114巻10号p. 1716-1736

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