内村ダム

内村ダム

内村ダムは、長野県上田市丸子町、信濃川水系依田川支流の内村川に建設された重力式コンクリートダムです。高さは51.3メートルあり、洪水調節、上田市を中心とした下流地域への不特定利水、そして上水道用水供給という、複数の目的を担う多目的ダムとして機能しています。ダムによって形成された湖は鹿鳴湖（ろくめいこ）と呼ばれています。

歴史

内村川は三才山峠を源流とし、東に向かって流れています。この地域は降雨量が少ないため、古くから32基もの堰を設けて農業用水を確保してきましたが、それでもしばしば水不足に悩まされていました。さらに、上田市を中心とした人口増加に伴い、上水道の需要も増大し、既存の取水施設だけでは対応が難しくなることが予想されました。また、内村川は過去に何度か大雨による洪水を引き起こしており、特に1958年の台風21号と1959年の台風7号では、周辺の農地が水没し、家屋が流されるなどの甚大な被害が発生しました。

これらの状況から、依田川総合開発の一環として、内村川の治水対策が急務とされました。1972年に実地調査が始まり、1974年に工事が着工、そして1983年に内村ダムは完成しました。このダムの完成によって、水害の防止と安定的な水資源の確保が実現しました。

周辺

内村ダムは、長野県を東西に結ぶ三才山トンネル有料道路の東側出口付近に位置しています。周辺は鹿教湯温泉で有名な地域であることから、ダム湖は鹿鳴湖と名付けられました。ダム周辺は公園として整備されており、ダム直下の河川公園からは、ダムの巨大な堤体を下から見上げることができます。ダム周辺の豊かな自然は、訪れる人々に安らぎと癒しを提供しています。

参考文献

• - 建設省北陸地方建設局編集『信濃川百年史』1979年3月30日、社団法人北陸建弘済会発行

関連項目

• - ダム
• - 日本のダム
• - 重力式コンクリートダム
• - 多目的ダム
• - 鹿教湯温泉
• - 菅平ダム

外部リンク

• - ダム便覧（財団法人日本ダム協会） 内村ダム
• - ダム諸量グラフ 内村ダム - 長野県 河川砂防情報ステーション

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