冫部

冫部（ひょうぶ）について

概要

冫部（ひょうぶ）は、漢字を部首によって分類したグループの一つです。康熙字典では214部首のうち15番目に位置づけられ、2画の部首としては9番目に数えられます。日本では「にすい」という通称で親しまれています。

「冫」の字は、もともと「冰（氷）」の原字であり、水が凍って固まる様子を象ったものです。古代の字形は「仌」であったとされています。部首として漢字の偏や旁に用いられる場合、多くは左側や下側に位置します。意味としては、気候や温度の寒冷、または寒冷による水の凝固などに関連するものを表します。

冫部は、「冫」を構成要素とする漢字を分類しています。水に関する部首としては、他に氵（さんずい）がありますが、一部の漢字は俗字として「冫」を用いることがあります（例：沖→冲、決→决、淨→净）。これらの俗字は、中国の簡化字で正式な字体として採用されています。

また、「次」の字の偏の部分は、本来は「二」であり「冫」とは異なるものですが、日本の新字体や中国の新字形では「冫」と同じ形になっています。ただし、「次」は現在でも冫部ではなく、欠部に分類されるので注意が必要です。

部首の通称

日本：にすい
中国：兩點水（两点水）
韓国：이수변부（isu byeon bu、二水偏部）
英米：Radical Ice

部首字

冫 - 「冰（氷）」と同じ意味

中古漢語

広韻 - 筆陵切
詩韻 - 蒸韻、平声
三十六字母 - 幫母

各言語での発音

普通話 - ピンイン：mì 注音：ㄇㄧˋ ウェード式：mi4
広東語 - mik6
日本語 - 音：ベキ（漢音）・ミャク（呉音）
朝鮮語 - 音：멱(myeok) 訓：덮을（deopeul、覆う）

例字

冫
冰（氷、水部）
冶
冷
凍
凋
凛
凜
凝
凟
𠘡
𠘤
𠘥
冬
𠘗
准（準の俗字。避諱によってこの形になったとされる）

（参考）寒→宀部、馮→馬部

最大画数

𠘦（冶）



このように、冫部は寒さや水の凍結に関連する漢字を分類する上で重要な役割を果たしています。

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