宀部

宀部（べんぶ）について

宀部（べんぶ）は、漢字を部首によって分類した際に用いられるグループの一つで、康熙字典では214部首の40番目（3画の部首としては11番目）に位置づけられています。

概要

「宀」の字は、交差して覆う屋根の形を象っており、家屋そのものを意味します。漢字の構成要素として用いられる偏旁（へんぼう）としては、主に家屋や屋根に関連する名称、家屋に関わる形容詞や動詞などを示します。

宀部に分類される漢字は、この「宀」を意符とするものに加え、寝台を表す「爿」と組み合わせて「𪧇」の形で用いられる「寢（寝）」「寐」「寤」といった漢字があります。また、「㝱」の省略形を意符とする「㝲」「𡬄」など、睡眠に関わる意味を持つ漢字も含まれます。

『説文解字』では、これらの漢字を収めるために「㝱部」という独立した部首が存在していました。（ただし、「寢（寝）」は『説文解字』には収録されていません。）

字体のデザイン差

「亠」と同様に、「宀」の字の1画目には地域によるデザインの差異が見られます。

康熙字典、日本: 短い縦棒で表現されます。
中国の新字形、台湾の国字標準字体、香港の常用字字形表: 点画で表現されます。

部首の通称

部首字

宀

中古音

広韻: 弥延切、仙韻
詩韻: 先韻、平声
三十六字母: 明母

現代音

普通話 (ピンイン): mián (注音: ㄇ一ㄢˊ), (ウェード式: mien 2)
広東語 (Jyutping): min4, (イェール式: min4)
日本語 (音): ベン（漢音）, メン（呉音）
朝鮮語 (音): 면(myeon), (訓: 집（jip、いえ）)

例字

3画: 安、宇、守、宅
4画: 完、宏
5画: 宛、官、宜、宗、宙、定、宕
6画: 客、室
7画: 家、宰、宵、宸、容
8画: 寅、寄、寇、寂、宿
9画: 寓、富、寒
10画: 寛
11画: 寡、察、實（実では5画）、寢（寝では10画）、寫（写）
12画: 審
16画: 寵
* 17画: 寶（宝では5画）

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