凵部

凵部（かんぶ）の概要

凵部は漢字における部首の一つで、主に「凵」という形を持つ漢字のグループを指します。康熙字典では214ある部首の中で17番目に位置しており、筆画数としては2画の部首の11番目にあたります。

部首の形と意義

単独で「凵」と呼ばれる漢字は、地面に空いた穴を象っており、これは「出」をも示唆しています。この部首に属する漢字は少数ですが、代表的なものとしては「出」の他に「凷」などがあります。「凵」が付く字には、字源上は「凵」と直接関係ない漢字も存在しますが、例えば「凹」や「凸」、「函」などは、楷書の筆画検索を可能にする便利さから部首としての位置を与えられています。

日本語では、凵部は「かんにょう」として知られることがあり、これはこの部首が左辺および下辺に広がって他の要素を囲む形状から名付けられたものです。しかし、厳密に言えば、この部首は右辺にもまたがるので、部首の名称として完全に「にょう」ではない面も含まれています。

部首の通称

• - 日本：かんにょう、うけばこ、したばこ、かんがまえ
• - 韓国：위튼입구부 (witeun ip gu bu、上が開いた口の部)
• - 英米：Radical Open box

部首字は「凵」となっています。

中古漢語と現代における発音

中古漢語の広韻では、凵部は「丘犯切」や「范韻」に関連しています。また、詩韻では「豏韻」や「上声」などに分類されることからも、その音と使用法に深い結びつきがあることがわかります。

現代漢語においては、様々な発音が存在し、普通話ではピンインでは「kǎn」と呼び、注音記号では「ㄎㄢˇ」となります。ウェード式では「k'an3」と表記されます。一方、広東語では「ham3」と発音され、日本語では漢音として「カン（カム）」、呉音として「コン（コム）」と呼ばれます。また、朝鮮語では「감(gam)」及び音読みで「입벌릴（ip beolril、口をいっぱいに開ける）」と表現されています。

例字

その代表的な字には以下のようなものが含まれます：

• - 凶
• - 凹
• - 出
• - 凸
• - 函

凵部は漢字の中で特有の形と意味を持つ重要な部首であり、理解することで漢字の成り立ちや意義を深く味わうことができます。部首の知識は漢字の読みや意味を学ぶ上で非常に役立つ情報となります。

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