劉佩 (前燕)

劉佩（りゅう はい）

劉佩は、五胡十六国時代の前燕に仕えた武将です。彼の生涯は、戦乱の時代を生き抜いた勇猛果敢なものでした。

生涯

河間郡出身の劉佩は、前燕に仕え、材官将軍に任じられました。334年2月には、乙連にいる段部を攻めますが、勝利には至りませんでした。その後、玄菟郡太守に任じられ、地域の安定に尽力しました。

338年5月、後趙の君主である石虎が数十万の大軍を率いて前燕に侵攻。この時、多くの郡県の諸部が石虎に寝返り、その数は36城にも及びました。後趙軍が棘城に迫ると、慕容皝は城を放棄して撤退しようとしましたが、劉佩は進み出てこう言いました。「今、強大な敵が外にいて、多くの人々は恐れおののいています。このような状況下では、大王は逃げるなどと考えず、将兵を鼓舞して自らの強さを示すべきです。今はまさに一刻を争う事態です。私がこれから出撃し、敵に大勝利してみせましょう。そうすれば、人々は安心するはずです」。

劉佩は自らの命を顧みず、数百騎を率いて後趙軍に突撃し、大打撃を与えて多くの敵兵を討ち取りました。この劉佩の活躍により、後趙軍の士気は大きく低下し、逆に城内の士気は百倍にも高まりました。その後も後趙軍は四方から押し寄せましたが、慕輿根や慕容恪らの奮戦により、撃退に成功しました。

344年1月、慕容皝は宇文部討伐の軍を起こし、慕容翰が先鋒、劉佩がその副将として従軍しました。前燕軍は宇文部軍を打ち破り、都城を攻略して宇文部を滅亡させました。しかし、劉佩は乱戦の中で流れ矢に当たり、無念の戦死を遂げました。

劉佩の死は前燕にとって大きな損失であり、彼の勇猛果敢な戦いぶりは、後世に語り継がれることとなりました。

参考文献

『晋書』巻109
『資治通鑑』巻96 - 巻97
* 『十六国春秋』前燕録

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