北越 (列車)

特急「北越」：北陸・新潟を結んだ列車の歴史

特急「北越」は、かつて日本国有鉄道（国鉄）や東日本旅客鉄道（JR東日本）、西日本旅客鉄道（JR西日本）が、大阪駅・金沢駅 - 新潟駅間などを北陸本線・信越本線経由で運行していた特急列車でした。この列車は、北陸地方の各都市間を結ぶ重要な役割を担っていました。

概要

1969年10月に大阪駅 - 新潟駅間で臨時列車として運転を開始し、1970年3月に定期列車に格上げされました。1975年3月には湖西線が開業したことにより、経由路線が変更されました。

1978年10月に北陸方面の特急列車の運転系統の見直しにより、大阪駅発着の列車は「雷鳥」の愛称となり、一時的に金沢 - 新潟間の区間運転が1往復のみとなりました。しかし、上越[[新幹線]]開業を機に「はくたか」が長岡を境に系統分割されるようになり、「北越」の本数が再び増加しました。一時期は、「白鳥」の系統分割によって福井駅まで運転されていたこともありましたが、主に金沢駅発着として北陸・新潟地方の相互間を結ぶ役割を担うようになりました。

2001年3月には大阪駅発着の「雷鳥」「サンダーバード」の運転系統の整理に伴い、大阪駅 - 新潟駅間の「雷鳥」2往復と「白鳥」が廃止され、金沢駅 - 新潟駅間運転の昼行特急は「北越」に一本化されました。しかし、北陸[[新幹線]]開業に伴う北陸本線金沢駅 - 直江津駅間の第三セクター化により、2015年3月14日に惜しまれつつ廃止となりました。

列車名の由来

「北越」という列車名は、旧国名である越国の北部にあたる、越中国と越後国の2国を併せて指す呼称に由来します。

運行概況

運行終了日である2015年3月13日現在の運行概況は、以下の通りでした。

全列車が金沢駅 - 新潟駅間の運転
5往復10本が運転
金沢駅発が下り、新潟駅発が上り
全区間の所要時間は下りが3時間39分 - 45分、上りが3時間37分 - 42分

本数が少なかった理由としては、「北越」の運行区間のうち金沢駅 - 直江津駅間においては「はくたか」が高頻度で運行されていたこと、また直江津駅 - 新潟駅間においては快速「くびき野」が補完的に運転されていたことで、同区間の需要を満たせていたことが挙げられます。

停車駅

金沢駅 - （津幡駅） - （石動駅） - 高岡駅 - （小杉駅） - 富山駅 - （滑川駅） - 魚津駅 - （黒部駅） - （入善駅） - （泊駅） - 糸魚川駅 - 直江津駅 - 柿崎駅 - 柏崎駅 - 長岡駅 - 見附駅 - 東三条駅 - 加茂駅 - 新津駅 - 新潟駅

※（ ）は一部の列車のみ停車

使用車両・編成

JR東日本の新潟車両センターに所属する485系電車（1000番台主体のT編成および3000番台のR編成）6両編成が使用されていました。主にリニューアル車（3000番台）か1000番台（いわゆる「上沼垂色」）またはT18編成、ごく稀にK1・2編成で運転されることもありました。

485系1000番台のうち、K編成の全車両とT編成中間の座席指定席車には座席を3000番台のものに取り替えた車両を編成に組み込んでいる場合がほとんどでした。自由席車は従来の簡易リクライニングシートのクッションをバケットタイプに交換した車両と元「雷鳥」編成のデラックス車が含まれ、これに座席のみデラックス車と同等で座席部のハイデッキ化や座席の前後間隔拡大などはされていない車両も存在しました。

車内販売

一部列車において、日本レストランエンタプライズ (NRE) による車内販売が行われていました。かつては、北陸トラベルサービスによる販売担当もありました。

北陸・新潟地方相互間優等列車

「北越」以外にも、北陸・新潟地方を結ぶ様々な優等列車が存在しました。

きたぐに

1961年10月に運転を開始した急行列車で、金沢駅 - 新潟駅間を結びました。キハ58系が使用され、雪の結晶がデザインされた大型のヘッドマークを取り付けて運転されていました。

白馬

1971年7月から1975年3月まで運転された急行列車で、金沢駅 - 糸魚川駅間は「しらゆき」と併結運転されていました。北陸と信州を結び、観光客に人気がありました。

かがやき

1988年3月13日に金沢駅 - 長岡駅間で運転を開始しました。「北越」の速達列車として位置付けられ、停車駅が少なく、上越[[新幹線]]「あさひ」に接続するように考慮されたダイヤでした。

沿革

「北越」は、時代とともに様々な変遷を遂げました。以下に主な沿革をまとめます。

1969年：大阪駅 - 新潟駅間で臨時特急として運転開始
1970年：定期列車化
1975年：湖西線経由に変更
1978年：大阪駅発着列車が「雷鳥」に編入、金沢駅 - 新潟駅間の1往復に
1982年：上越[[新幹線]]開業に伴い3往復に増発
1997年：北越急行ほくほく線開業により2往復に
2001年：金沢駅 - 新潟駅間で5往復に
2015年：北陸[[新幹線]]金沢開業に伴い廃止

特急「北越」は、北陸・新潟地方の交通を支えた重要な列車でした。その歴史は、地域の発展とともに歩んできたと言えるでしょう。

もう一度検索