厚岸霧多布昆布森国定公園

厚岸霧多布昆布森国定公園

厚岸霧多布昆布森国定公園は、北海道の釧路町、厚岸町、浜中町、標茶町にまたがる広大な国定公園です。2021年3月30日に、それまでの厚岸道立自然公園から国定公園へと移行しました。この公園は、変化に富んだ海岸線、海食崖、湖沼、湿原などが織りなす、多様な景観が特徴です。

概要

公園は、釧路町東部の太平洋沿岸から厚岸町を経て浜中町霧多布へと続く海岸段丘が基盤となっています。この地域には、トド岩やタコ岩などの奇岩が点在し、独特の景観を形成しています。大黒島は海鳥の繁殖地として知られ、国の天然記念物および鳥獣保護区に指定されています。また、厚岸湖・別寒辺牛湿原と霧多布湿原は、ラムサール条約登録湿地であり、貴重な湿地生態系が保たれています。

嶮暮帰島は、作家の畑正憲が一時的に移住した島として知られています。

自然

公園内には、トドマツ、ダケカンバ、ミズナラなどの混交林が広がり、海岸台地にはヒオウギアヤメやヤマブキショウマなどの草花が群生しています。特に霧多布湿原では、初夏にエゾゼンテイカ、クシロハナシノブ、イソツツジといった高山植物が咲き誇ります。

鳥類では、オオハクチョウをはじめとするガンカモ類、タンチョウ、オオワシ、オジロワシなど、多くの水鳥や希少な鳥類が生息しています。特にエトピリカは、日本国内では厚岸から根室にかけての沿岸部でのみ見られる貴重な鳥であり、大黒島はコシジロウミツバメの日本最大の繁殖地です。また、春から秋にかけては、タンチョウが湿原に姿を現します。公園周辺は、ゼニガタアザラシの繁殖地でもあります。

豊かな海産物もこの地域の魅力であり、森林や湿原によって蓄えられた水が河川の安定的な流量を確保し、カキ、アサリ、コンブなどの名産品を生み出しています。

国定公園への移行

北海道は、厚岸道立自然公園の国定公園化を検討し、2020年10月30日に環境審議会が答申を行いました。その結果、2021年3月30日、別寒辺牛湿原や来止臥を含む4万1487ヘクタールの地域が、全国で58番目、道内では6番目の国定公園として指定されました。

景勝地

公園内には、以下のような多くの景勝地があります。

尻羽岬
厚岸湖・別寒辺牛湿原
愛冠岬
あやめヶ原
涙岬・立岩
藻散布沼
火散布沼
霧多布湿原
アゼチ岬
湯沸岬（通称：霧多布岬）

これらの景勝地は、それぞれ異なる自然の美しさを見せてくれます。

施設

公園内には、以下の施設があります。

厚岸水鳥観察館 - 厚岸郡厚岸町サンヌシ66
霧多布湿原センター - 厚岸郡浜中町四番沢20

これらの施設では、公園の自然や生態系について学ぶことができます。

厚岸霧多布昆布森国定公園は、豊かな自然と多様な景観が魅力の場所です。訪れる人々にとって、自然の美しさと大切さを感じられる場所となるでしょう。

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