双石山

双石山（ぼろいしやま）

宮崎県宮崎市南部に位置する双石山は、鰐塚山地北東部の鵜戸山地にそびえる山で、市民の憩いの場として親しまれています。宮崎市街地からも望むことができ、その特徴的な姿は宮崎市のシンボルの一つとされています。

自然

地理

双石山は、加江田川と鏡洲川に挟まれた山塊であり、西側が急傾斜、東側が緩傾斜という特徴的な山容をしています。また、双石山と東に隣接する徳蘇山塊を合わせて双石山と呼ぶこともあります。宮崎市街地から見える山の姿は、時間帯や天候によって七色に変化すると言われています。

地質

双石山の地質は、日南層群の砂岩の上に、不整合を介して宮崎層群青島相双石山部層の礫岩や砂岩が重なっているという構造をしています。宮崎層群は東側へ傾斜しており、浸食されにくい地層が表層にあるため、東側が緩やか、西側が急なケスタ地形を形成しています。また、塩類風化によって急速に風化されるため、表面に多数の穴を持つタフォニと呼ばれる奇岩が多数見られます。天狗岩、象の墓場、針の耳、玉ねぎ状に風化した岩など、多様な奇岩が存在します。

動植物

山頂付近は、シイ、カシ、タブノキなどの照葉樹林が広がっています。この森林は完全な天然林ではなく、1910年以降に更新された形跡があり、その後放置されたことで天然林に近い状態になっています。

歴史

双石山は古くから山岳信仰の対象とされており、山伏がいたと伝えられています。「ぼろいし」という名称は、砂礫が崩れやすい様子から名付けられたとする説が一般的です。その他、二つの山が重なっているため「双石」と書かれたとする説や、落合双六という人物に由来するという説もあります。1829年には、安井息軒が登山した記録が残っています。

1969年、貴重な天然林が残されているとして、63.96ヘクタールが国の天然記念物（天然保護区域）に指定されました。翌1970年には、双石山から加江田渓谷までの1448ヘクタールが宮崎自然休養林に指定されました。

観光

双石山は、宮崎市中心部から約16キロメートルと近い場所に位置し、市民にとって身近な山です。登山道は、北西の鏡洲川沿いの塩鶴から針の耳神社と象の墓場を通るルートと、東側の加江田渓谷からのルートがあります。山頂の展望台からは、宮崎市街地、尾鈴[[山]]、日向灘を一望できます。山頂付近には岩壁があり、ロッククライミングも盛んに行われています。

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