喜劇 駅前百年

喜劇 駅前百年

『喜劇 駅前百年』（きげき えきまえひゃくねん）は、1967年11月18日に東宝系で封切られた日本の長編劇映画です。東京映画が製作を手がけ、カラー、シネマスコープ、上映時間102分で公開されました。

概要

この作品は、『駅前』シリーズの通算第21作目にあたります。また、この年の東宝創立35周年を記念する作品としても位置づけられています。本作のタイトルに含まれる「百年」は、公開された1967年が明治維新から数えてちょうど百年目に当たる「明治百年」に由来しています。

記念作品としての性格を反映し、本作はシリーズの原点であり、ヒットの契機となった1958年公開の『駅前旅館』の世界観を再び描くことを目指しました。そのため、脚本は『駅前旅館』も手がけた八住利雄氏が再び担当し、監督も同様に豊田四郎氏が務めました。物語は、タイトルの由来となった「明治百年」にちなみ、導入部分に戊辰戦争の場面が盛り込まれています。

主要な出演者である森繁久彌氏、伴淳三郎氏、フランキー堺氏の三人は、このプロローグの戊辰戦争の場面で、現代の役柄それぞれの先祖にあたる人物を二役で演じるという趣向が凝らされました。上映時間は102分と比較的長く、これはシリーズ全体でも『駅前旅館』や『喜劇 駅前温泉』に次ぐ長さでした。

当時の人気グループであるザ・スパイダースと、てんぷくトリオがゲストとして出演し、物語に彩りを加えています。本作が公開された1967年は、『駅前』シリーズが年間4作品製作・公開された多作な年でしたが、本作以降はシリーズの製作ペースが緩やかになっていきました。

スタッフ

製作：佐藤一郎、金原文雄
脚本：八住利雄、広沢栄
監督：豊田四郎
撮影：岡崎宏三
音楽：山本直純
美術：小島基司
照明：榊原庸介
録音：長岡憲治
スチル：大谷晟

出演者

森田徳之助／森田達之助：森繁久彌
伴野孫作／伴野孫之進：伴淳三郎
坂井次郎／坂井太郎：フランキー堺
松木おせん：森光子
伴野お浜：乙羽信子
伴野孫太郎：松山英太郎
平井営業部長：名古屋章
染子：池内淳子
由美：大空真弓
山花久：山茶花究
松木三平：三木のり平
森田景子：淡島千景
お松：赤木春恵
佐山：堺正章（ザ・スパイダース）
ターザン（先生）：三波伸介（てんぷくトリオ）
先生A：戸塚睦夫（てんぷくトリオ）
先生B：伊東四朗（てんぷくトリオ）
こそ泥：立原博
爺さん：左卜全
ザ・スパイダース

同時上映

本作は、成瀬巳喜男監督の遺作となった『乱れ雲』と同時上映されました。『乱れ雲』もまた、東宝創立35周年記念映画として製作され、加山雄三氏が主演を務めています。成瀬巳喜男監督作品との同時上映は、1964年公開の『喜劇 駅前女将』と『乱れる』以来のことでした。

関連項目

駅前旅館 (映画))
上野駅
明治百年
戊辰戦争

外部リンク

喜劇 駅前百年 - allcinema
喜劇 駅前百年 - KINENOTE

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参考資料：キネマ旬報* (本記事の作成にあたり、『キネマ旬報』などを参考にしています。)

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