坂戸 (川崎市)

神奈川県川崎市高津区坂戸の詳細

坂戸は、神奈川県川崎市高津区の東部に位置する町名です。1丁目から3丁目までが存在し、1991年に住居表示が実施されました。面積は約53.9ヘクタールで、多摩川の沖積低地という地理的特徴を持っています。

地理

坂戸は高津区の東部に位置し、全域が多摩川の沖積低地です。この地域には、ミツトヨなどの工場が立ち並んでいます。また、かつて池貝鉄工の工場があった場所は、現在かながわサイエンスパーク（KSP）として、起業や研究開発の拠点となっています。住宅地も広がっており、多様な機能を持つ地域となっています。

第三京浜道路が坂戸の南東端を通り、京浜川崎インターチェンジが隣接する末長に位置しています。このインターチェンジの存在は、坂戸の交通利便性を高める一因となっています。

坂戸の境界は、北は旧平瀬川を境に二子・北見方、東は中原区上小田中、南は末長、西は久本・溝口と接しています。

地価

2024年1月1日時点の公示地価によれば、坂戸2丁目7-18の地点で住宅地の地価は32万1000円/m²となっています。

歴史

坂戸の歴史は古く、条里制の遺構が残っています。文献上の初出は1325年の「関東下知状」で、「稲毛新庄坂戸郷」として登場します。その後、「稲毛庄坂土郷」という表記も見られますが、これは誤記であると考えられています。

江戸時代初期には天領でしたが、後に増上寺領となりました。村高は時代とともに変動し、水田が中心で米と麦の二毛作が行われていました。二ヶ領用水から分かれる根方堀が用水として利用されていました。

明治維新後、高津村、高津町を経て川崎市に編入されました。明治から大正にかけては農村でしたが、昭和に入り池貝鉄工所などの工場が進出し、大きく変貌しました。戦後には宅地化が進み、第三京浜道路の開通によって農村風景は一掃されました。

池貝鉄工の移転後、跡地にはかながわサイエンスパークが開設され、研究開発型企業の支援や産官学連携の研究が行われています。

地名の由来

坂戸の地名の由来には諸説あります。

「砂地」を意味する「スカド」から転じたという説
埼玉県坂戸市から移住した人々が故郷の地名を付けたという説
「多摩川の下流にある場所」を意味する「サガド」から転じたという説

これらの説がありますが、正確な由来は不明です。

沿革

1325年: 「関東下知状」に「稲毛新庄坂戸郷」と記載。
1352年: 「足利尊氏充行下文」に「稲毛庄坂土郷」と記載。
1717年: 増上寺領となる。
1868年: 明治維新により神奈川県に所属。
1874年: 大区小区制により第5大区第3小区に属する。
1889年: 高津村成立、坂戸はその大字となる。
1928年: 高津村が町制を施行し高津町となる。
1937年: 高津町が川崎市に編入され、川崎市坂戸となる。
1938年: 池貝鉄工所が工場を開設。
1940年: 三豊製作所の工場が操業開始。
1964年: 第三京浜道路の京浜川崎ICが開通。
1972年: 川崎市が政令指定都市となり、川崎市高津区坂戸となる。
1985年: 池貝鉄工がツクバ工場を開設し、坂戸からの移転が開始。
1987年: かながわサイエンスパークの建物が竣工。
1991年: 住居表示が実施され、坂戸1丁目～3丁目となる。

町域の新旧対照

住居表示実施前の坂戸の字は以下の通りでした。

世帯数と人口

2024年9月30日現在、世帯数と人口は以下の通りです。具体的な数値は川崎市から発表されています。

人口の変遷

国勢調査による人口の推移は以下の通りです。具体的な数値は省略します。

世帯数の変遷

国勢調査による世帯数の推移は以下の通りです。具体的な数値は省略します。

学区

市立小・中学校の学区は以下の通りです。（2023年10月時点）

事業所

2021年の経済センサス調査によると、坂戸の事業所数と従業員数は以下の通りです。具体的な数値は省略します。

事業者数の変遷

経済センサスによる事業所数の推移は以下の通りです。具体的な数値は省略します。

従業員数の変遷

経済センサスによる従業員数の推移は以下の通りです。具体的な数値は省略します。

交通

鉄道

南武線がわずかに接していますが、坂戸に駅はありません。最寄りの駅は武蔵新城駅や武蔵溝ノ口駅です。

バス

路線バスは通っていませんが、かながわサイエンスパークと溝の口駅を結ぶ無料シャトルバスが運行しています。また、近隣のバス停から路線バスを利用することもできます。

道路

国道466号第三京浜道路
京浜川崎インターチェンジ
南武沿線道路

施設

かながわサイエンスパーク（KSP）
神奈川科学技術アカデミー
ホテルKSP
飛島建設（本社がKSPに入居）
ミツトヨ
川崎市立坂戸小学校

その他

郵便番号: 213-0012（集配局: 高津郵便局）
警察: 町内の警察の管轄区域は以下の通りです。

関連項目

坂戸

脚注

参考文献

『川崎の町名』日本地名研究所 編、川崎市、1995年。
『川崎地名辞典（上）』日本地名研究所 編、川崎市、2004年。
『角川日本地名大辞典 14 神奈川県』角川書店、1984年。
前川清治『たちばな地名探訪』労働教育センター、1997年。ISBN 4-8450-0283-3。
「坂戸村」『新編武蔵風土記稿』 巻ノ64橘樹郡ノ7、内務省地理局、1884年6月。

外部リンク

かながわサイエンスパーク

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