大室孟

大室孟

大室孟（おおむろ つとむ、1912年1月15日 - 2001年2月14日）は、日本の陸軍軍人、そして航空自衛官でした。最終階級は、日本陸軍では陸軍少佐、航空自衛隊では航空幕僚長たる空将にまで昇りつめました。

生い立ちと陸軍時代

大室孟は、陸軍大佐であった大室勝の息子として生まれました。彼は、鹿児島一中、東京陸軍幼年学校、陸軍士官学校予科を経て、陸軍士官学校本科へと進みました。陸軍時代には、司令部偵察機操縦者としてその腕を振るい、特に日中戦争時には九七式[[司令部偵察機]]を駆り、数々の功績を挙げました。その功績は、偵察隊としては異例の功四級金鵄勲章と個人感状の拝受という形で讃えられました。太平洋戦争中には、主に一〇〇式[[司令部偵察機]]「新司偵」を愛機として、各司偵隊の隊長を歴任しました。

戦後の航空自衛隊での活躍

終戦後、大室孟は公職追放の憂き目に遭いましたが、その後航空自衛隊に入隊しました。創設期には教官として、パイロットの育成に尽力しました。その後、第5航空団司令、第1航空団司令、北部航空方面隊司令官、航空幕僚副長などの要職を歴任し、最終的には第7代航空幕僚長に就任しました。

航空幕僚長時代

航空幕僚長在任中には、バッジシステム受注を巡る情報漏洩事件が発生しました。この事件では、航空自衛隊側から伊藤忠商事への情報漏洩が発覚し、空幕防衛課長の1等空佐が逮捕され、上司である防衛部長の空将補が自殺するという痛ましい事態に発展しました。

年譜

1933年（昭和8年）7月：陸軍士官学校卒業（第45期）
1933年（昭和8年）10月：陸軍航空兵少尉
1934年（昭和9年）8月：明野陸軍飛行学校射撃学生
1935年（昭和10年）10月：陸軍航空兵中尉
1937年（昭和12年）7月：航空兵団司令部附
1938年（昭和13年）2月：臨時独立飛行第1中隊附
1938年（昭和13年）3月：陸軍航空兵大尉
1938年（昭和13年）6月：独立飛行第18中隊附
1939年（昭和14年）5月：個人感状・陸軍航空士官学校附
1941年（昭和16年）3月：下志津陸軍飛行学校附兼陸軍航空技術研究所員
1941年（昭和16年）10月：陸軍少佐
1942年（昭和17年）4月：独立飛行第51中隊長
1942年（昭和17年）9月：下志津陸軍飛行学校教官
1944年（昭和19年）6月：下志津教導飛行師団教導飛行隊長兼審査部員
1945年（昭和20年）7月：第1独立飛行隊長
1945年（昭和20年）11月：予備役
1947年（昭和22年）11月28日：公職追放仮指定
1952年（昭和27年）7月14日：警察予備隊に入隊（2等警察正）
1954年（昭和29年）7月1日：航空自衛隊入隊、操縦学校教育部長（2等空佐）
1955年（昭和30年）2月16日：1等空佐昇任
1955年（昭和30年）11月1日：第1操縦学校分校長
1957年（昭和32年）7月1日：臨時築城派遣隊長
1957年（昭和32年）10月1日：航空自衛隊第3操縦学校長
1959年（昭和34年）6月1日：飛行教育集団教育部長
1959年（昭和34年）8月1日：空将補昇任
1959年（昭和34年）12月1日：第5航空団司令
1962年（昭和37年）4月7日：第1航空団司令 兼浜松北基地司令
1963年（昭和38年）8月1日：航空幕僚監部人事教育部長
1965年（昭和40年）4月1日：空将昇任
1965年（昭和40年）7月16日：第4代 北部航空方面隊司令官
1966年（昭和41年）7月1日：第7代 航空幕僚副長
1967年（昭和42年）11月15日：第7代 航空幕僚長
1969年（昭和44年）4月25日：退官
1982年（昭和57年）4月29日：勲二等瑞宝章受章
2001年（平成13年）2月14日：逝去（享年89歳）、叙・正四位

栄典

功四級金鵄勲章 - 1939年（昭和14年）5月
レジオン・オブ・メリット・コマンダー - 1969年（昭和44年）4月14日
勲二等瑞宝章 - 1982年（昭和57年）4月29日

親族

祖父：大室勝武（陸軍大尉）
長男：大室真
長女：大室美奈子

参考文献

歴代航空幕僚長 - ウェイバックマシン（2004年9月10日アーカイブ分）
秦郁彦編『日本陸海軍総合事典』第2版、東京大学出版会、2005年
碇義朗『新司偵 キ46 技術開発と戦歴』光人社、1997年

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