大雪嶺登

大雪 嶺登の生涯と功績

大雪嶺登（だいせつ みねと、1944年11月30日 - 1980年4月16日）は、北海道の夕張市に生まれた大相撲力士で、宮城野部屋に所属していました。彼の本名は秋田芳夫（あきた よしお）で、最高位は東前頭3枚目という立派な成績を収めています。現役時代、彼は183 cm、120 kgという体格を持ちながら、右四つや投げ、蹴返しを得意としていました。

若き日の出発

大雪は夕張市立千代田中学校を卒業後、夕張鉄道で2年間勤務していましたが、1962年に地元の道会議員からの紹介で宮城野部屋に入門します。彼の角界への道は決して容易ではありませんでした。母親の強い反対がありましたが、それを振り切り、角界入りを決意しました。

初土俵を踏んだのは1962年9月場所で、当時17歳。最初は本名の「秋田」という名で序ノ口に付いていましたが、後に師匠の現役名に由来した「吉葉嶺」と改名しました。しかし、過去に「吉葉嶺」を名乗った力士が怪我に見舞われたことを知り、1964年7月場所から「大雪」と改名しました。この名前は、北海道の名峰である大雪山に由来しています。

力士としての旅路

大雪は1968年1月場所にて新十両に昇進。その後、しばらく十両に留まっていましたが、東十両筆頭で迎えた1969年11月場所で3点勝ち越し、翌年には新入幕を果たしました。幕内には新入幕以降11場所連続で在位し、通算では12場所にわたりました。

1971年1月場所と同年5月場所においては幕内下位でありながら10勝を挙げ、特に1月場所では敢闘賞の候補に挙がったこともありましたが、受賞は果たせませんでした。彼の取り口は、蹴手繰りや蹴返しといった独特なものでしたが、手首が脆いという欠点があり、結果として幕内上位では大きな成果を残すことはできませんでした。

順風満帆とは言えない競技生活

大雪は横綱や大関との対戦において2度挑みましたが、いずれも大敗を喫しています。初めて対戦した1971年3月場所では、同郷である大横綱・大鵬と対峙しましたが、あっさりと敗北を喫しました。1972年3月場所を最後に幕内から遠ざかり、同年9月には東十両10枚目の地位で惨敗し、関取の座を失います。さらに、1973年1月場所では全休となり、これをもって28歳で引退を決意しました。

引退後の生活

引退後は年寄名跡を持っていなかったため、日本相撲協会を直ちに去ります。さらに、東京都新宿区早稲田で相撲料理の店「ちゃんこ大雪」を営みましたが、1980年4月16日に膵臓癌で亡くなりました。享年は35歳でした。彼の店は、妻の英子が引き継ぎ、2018年頃まで営業を続けていましたが、現在は閉店しています。

主な成績

大雪の幕内成績は77勝103敗、勝率は0.428と苦戦が目立ちます。通算成績は326勝323敗で、勝率は0.502でした。現役在位期間は62場所にも及びます。特筆すべきは、1967年11月場所での幕下優勝であり、これは彼の力士としてのキャリアのハイライトの一つと言えるでしょう。彼の取り組みは、相撲ファンに特有の印象を与えたことでしょう。

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