天野元祐

天野元祐（あまの もとすけ）

天野元祐は、戦国時代から安土桃山時代にかけての武将で、毛利氏の家臣として活躍しました。

出自

安芸天野氏は、藤原南家工藤氏の一族が安芸国に下向し、国人化した一族です。元祐の系統は、天野政貞を祖とする金明山天野氏にあたります。一方、安芸の国人である天野興次・天野興定・天野元定の一族は、生城山天野氏の系統です。

生涯

天文16年（1547年）、大内氏に属する安芸国の国人、天野隆重の三男として生まれました。

天文20年（1550年）9月1日、大寧寺の変で大内義隆が自害した際、元祐の父・隆重の弟である天野隆良も義隆に殉じました。隆良には男子がいなかったため、毛利元就は隆良の娘を元祐に娶わせ、婿養子として家督と周防国吉敷郡大内村の内の60石の知行を元祐に継がせました。

元服後、元祐は父・隆重に従って出雲国の月山富田城の在番を命じられました。また、天正2年（1574年）から天正3年（1575年）にかけての備中兵乱の後には、兄の元明と共に備中国の松山城の在番を務めました。天正4年（1576年）1月23日、毛利輝元は元祐らの松山城在番の労を労い、備中国や美作国の情勢が落着した際には300貫の地を与えることを約束しました。翌1月24日には、ひとまず古瀬の内の100貫を与え、在番を終えた後に別所を与えるとしています。元祐は度々軍功を挙げ、その都度感状を与えられています。

天正14年（1586年）から始まる豊臣秀吉の九州平定に従軍しましたが、天正15年（1587年）4月25日に筑前国博多沖の船中で病死しました。享年41。嫡男の元重は元祐の兄である元明の家を継いだため、次男の元長が元重から100石に知行を分与されて家督を継ぎました。

参考文献

『萩藩閥閲録』巻70「天野七郎兵衛」
岡部忠夫編『萩藩諸家系譜』（マツノ書店、1999年復刻）

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