宇高基輔

宇高基輔（うだか もとすけ）は、1911年10月1日に岡山県で生まれ、1994年4月23日に亡くなった日本の著名な経済学者です。東京大学の名誉教授であり、マルクス経済学の研究において重要な業績を残しました。

生涯

宇高基輔は、1936年に東京帝国大学経済学部を卒業後、経済学の道に進みました。戦後、東京大学社会科学研究所で助教授、教授として教鞭をとり、1972年に定年退官するまで多くの学生を育成しました。退官後も専修大学で教鞭を執り続け、経済学の研究と教育に尽力しました。

宇高の専門はマルクス経済学であり、その研究は社会主義経済の理論や資本論の解釈に大きな影響を与えました。彼の著作や翻訳は、日本の経済学界において重要な文献とされており、多くの研究者や学生に読まれています。

1994年4月23日、宇高基輔は肝不全のため82歳でその生涯を閉じました。彼の死後も、その研究と教育に対する貢献は、経済学界に深く刻まれています。

業績

宇高基輔の主な業績は、以下の通りです。

著書:
『マルクス経済学』（青林書院、1959年）：マルクス経済学の基礎を解説した著書で、彼の研究の中核をなすものです。
『経済学講座 第4巻.社会主義経済』（編、大月書店、1954年）：社会主義経済の理論を包括的に扱った著作です。
『マルクス経済学』（編、青林書院、1960年）：マルクス経済学の理論と実践を深く掘り下げた研究書です。
『マルクス経済学講座』全4巻（宇佐美誠次郎、島恭彦共編、有斐閣、1963-1966年）：マルクス経済学の体系的な解説書です。
『マルクス経済学体系』全3巻（宇佐美誠次郎、島恭彦共編、有斐閣、1966年）：マルクス経済学の全体像を把握するための重要な文献です。
『社会主義経済論』（編、有斐閣双書、1975年）：社会主義経済の理論と現実を分析した著作です。

翻訳:
カール・マルクス『経済学批判』（日本評論社、1949年）：マルクスの経済学理論の根幹をなす著作の翻訳です。
レオンチエフ『資本論論攷』（土屋保男共訳、青木文庫、1954年）：資本論の解釈に重要な影響を与えた著作の翻訳です。
レーニン『新経済政策 上』（編訳、青木文庫、1955年）：レーニンの経済政策に関する重要な文献です。
レーニン『資本主義の最高の段階としての帝国主義』（岩波文庫、1956年）：帝国主義論を展開したレーニンの代表作です。
レーニン『国家と革命』（岩波文庫、1957年）：国家論に関するレーニンの重要な著作です。
M.B.コルガーノフ『社会主義社会における所有』（福島正夫、藤田勇共訳、有斐閣、1960年）：社会主義社会における所有の問題を論じた著作です。
デ・イ・ローゼンベルグ著 エス・エリ・ヴィゴドスキー編『資本論注解』全5巻（副島種典共訳、青木書店、1962-1964年）：資本論の理解を深めるための詳細な注解です。
エンゲルス『「資本論」綱要 他九篇』（宇佐美誠次郎共訳、大月書店、1967年）：資本論の解説書とエンゲルスの著作をまとめたものです。
E・H・カー『ボリシェヴィキ革命 1917-1923』第2-3巻（みすず書房、1967-1971年）：ロシア革命の歴史を詳細に分析した著作です。
ツァゴロフ,キーロフ共編『資本論と現代資本主義の諸問題』（協同産業、1969年）：資本論と現代資本主義の関係を考察したものです。

まとめ

宇高基輔は、マルクス経済学の研究において多大な貢献をし、その業績は日本の経済学界に深く根付いています。彼の著作と翻訳は、現代においても多くの研究者や学生にとって重要な参考文献であり、その思想は今後も継承されていくでしょう。

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