小出吉親

小出 吉親

小出吉親（こいで よしちか）は、江戸時代前期に活躍した日本の大名であり、但馬国出石藩の第3代藩主、さらに丹波国園部藩の初代藩主として知られる人物です。彼の存在は、小出氏の初代としても特に重要で、多くの戦乱の時代にその名を刻みました。

略歴

小出吉親は、天正18年（1590年）に大坂で生まれました。父は小出吉政、母は伊東治明の娘である長春院です。彼は、慶長3年（1598年）に太閤・豊臣秀吉の命により従五位下加賀守に叙任され、慶長8年（1603年）には信濃守にその職を改めました。江戸において、彼は徳川家康に拝謁し、さらに慶長10年（1605年）の徳川秀忠の上洛に従いました。

慶長15年（1610年）には、上野国甘楽郡に2,000石の知行が与えられ、保持する地は次第に広がっていきました。慶長18年（1613年）、父の吉政が死去した後、吉親は家督を継ぎ、出石城と父の所領の一部を引き継いで、但馬国の出石郡、気多郡、美含郡、養父郡から2万7,700石を領有し、合計で約3万石の大名となります。

吉親は慶長19年（1614年）の大坂冬の陣において、兄とともに天王寺口の攻撃に参加しました。続く翌年の大坂夏の陣では落城の際、家臣たちの奮闘によって多くの敵を討ち取り、敵の捕縛にも貢献しました。この戦いによって、吉親は67の首級を挙げる功績を残しました。

元和5年（1619年）には、兄の再封に伴い丹波国の園部に移封され、そこでは新たに園部藩を立藩し、同時に園部城を築城しました。元和7年（1621年）には、他の大名の移封に際して福知山城を一時的に守る役目も果たしました。寛永元年（1624年）には、大坂城の普請にも参加しました。

その後、寛永3年（1626年）には徳川家光の上洛に従い、寛永19年（1642年）には上方の郡奉行に任命されました。寛文2年（1662年）には自らの養子である吉直に3千石を分知し、寛文7年（1667年）には家督を長男の英知に譲り、隠居生活に入りました。

死去

吉親は寛文8年（1668年）に園部で亡くなりました。享年は79歳であり、下谷広徳寺に葬られています。彼の法名は福源院松渓玄秀とされ、江戸時代の大名としての名声を残しています。

家族

吉親の家族に関しては、父は小出吉政、母は長春院です。正室には本多正重の娘を迎え、子女には長女の青龍院、次女の杉原重長正室、三女の加藤直泰正室などがいます。長男の小出英知は後に家督を継ぎ、他にも多くの子女がいました。一族の中で特に次男の一柳直次は、一柳直家の養子として知られています。家族の系図は彼の大名としての地位を示す重要な部分でもあり、今後の幕府や地方の政治においても影響を持ちました。

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