小室 (伊奈町)

小室（こむろ）

埼玉県北足立郡伊奈町に位置する大字、小室について解説します。

地理

小室は伊奈町の中央部に位置し、大宮台地上にあります。台地には畑が多く見られ、綾瀬川沿いの沖積平野は水田地帯となっています。かつては伊奈町役場が置かれていましたが、区画整理により地名が中央に変更されました。地区の中央部と蓮田市綾瀬に接する一部は市街化区域、それ以外の地区は市街化調整区域に指定されています。埼玉新都市交通伊奈線（ニューシャトル）の開業以降、農地からベッドタウンへと変化し、人口が増加しています。栄の南東に位置する地区は、地図上では飛地のように見えることがありますが、原市沼川の河川敷が大字小室となっているため、実際には飛地ではありません。

河川:

綾瀬川
原市沼川

池沼:

原市沼

歴史

小室は、江戸期より足立郡小室領に属する小室宿村として存在していました。さらに遡ると、南北朝時代の応安3年（1370年）の記録にも小室郷の名が見られ、その中の8つの村の一つが小室村でした。街道筋の宿場町として発展したことから、小室の地名に「宿」が加えられ、小室宿と呼ばれるようになったとされています。

天正18年（1590年）：関東郡代伊奈氏の知行地となる。
元和5年（1619年）：旗本伊奈氏の知行地となる。
1869年（明治2年）：旗本領が上知され、浦和県の管轄となる。
1871年（明治4年）：第1次府県統合により、埼玉県の管轄となる。
1873年（明治6年）：建正寺境内に小学校（現・伊奈町立小室小学校）が開校。
1875年（明治8年）：柄山村、小貝戸村、小室宿村など8つの村が合併し、小室村が成立。
1879年（明治12年）：郡区町村編制法施行に伴い、北足立郡に所属。
1889年（明治22年）：町村制施行により、小室村が単独で自治体を形成。
1943年（昭和18年）：小室村と小針村が合併し、伊奈村が発足。小室村は伊奈村の大字小室となる。
1954年（昭和29年）：一部が蓮田町へ編入。
1970年（昭和45年）：伊奈村が町制を施行し、伊奈町となる。小室は伊奈町の大字となる。
1970年代以降：土地区画整理事業が複数行われ、町名地番が変更。中央、寿、本町などの新しい町名が成立。
2020年（令和2年）：伊奈町中部特定土地区画整理事業により、中央一丁目 - 五丁目が成立。

交通

鉄道：埼玉新都市交通伊奈線（ニューシャトル）が地区内を通り、丸山駅、志久駅、伊奈中央駅が利用可能です。また、東北新幹線と上越新幹線が地区内を通過しています。
道路：埼玉県道3号さいたま栗橋線、埼玉県道5号さいたま菖蒲線などの主要地方道が通っています。

施設

日本薬科大学さいたまキャンパス
国際学院高等学校
栄北高等学校
伊奈町立伊奈中学校
伊奈町立南中学校
伊奈町立小室小学校
埼玉県立がんセンター
伊奈消防署
伊奈町立伊奈中央会館
埼玉新都市交通丸山車両基地

史跡・文化財

大島家住宅（国登録有形文化財）
伊奈氏屋敷跡（県指定史跡）
小貝戸貝塚（県指定史跡）
大山遺跡（県重要遺跡）
* 志久遺跡

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