山口勝 (陸軍軍人)

山口勝（やまぐち かつ）

山口勝は、1862年（文久2年）に江戸で生まれ、1938年（昭和13年）に亡くなった日本の陸軍軍人です。最終階級は陸軍中将で、従三位勲二等功三級の位階と勲章を受けています。

生い立ちと初期の軍歴

山口勝は、幕臣・山口千造の次男として生まれました。維新後は一家で沼津周辺に移住し、沼津兵学校附属小学校（現在の沼津市立第一小学校）で学びました。その後、大坂兵学寮を経て陸軍幼年学校に入学し、1881年（明治14年）に陸軍士官学校を卒業。砲兵少尉に任官され、軍人としてのキャリアをスタートさせました。同期には、後に陸軍大臣となる岡市之助中将や、青島守備軍司令官の大島健一中将らがいました。

軍人としての昇進

山口は、砲兵士官として着実に昇進を重ねました。1885年（明治18年）に砲兵中尉、1889年（明治22年）には砲兵大尉となり、野砲兵第4連隊中隊長を拝命。その後、イタリアに留学し、帰国後は要塞砲兵監副官や臨時東京湾守備隊参謀などを務めました。日清戦争では、臨時徒歩砲兵連隊大隊長として出征し、由良要塞砲兵大隊長も務めました。

1897年（明治30年）からはフランスに駐在し、1899年（明治32年）には砲兵中佐に昇進、陸軍要塞砲兵射撃学校長に就任しました。1901年（明治34年）には陸軍省軍務局砲兵課長となり、1902年（明治35年）に砲兵大佐に進級しました。1907年（明治40年）には陸軍少将に進み、野戦重砲兵第1旅団長を命ぜられ、1912年（大正元年）には重砲兵監を拝命しました。

師団長、そして予備役へ

1913年（大正2年）、山口は陸軍中将に進級。1914年（大正3年）には第10師団長、1916年（大正5年）には第16師団長を歴任しました。1917年（大正6年）に待命となりますが、1918年（大正7年）には教育総監部附を命ぜられました。1919年（大正8年）には予備役編入となり、1925年（大正14年）には後備役となりました。

その他の情報

山口勝は、1938年（昭和13年）に亡くなり、墓所は天龍寺（新宿区）にあります。諡は大雄院殿仁山勝道居士。また、息子には二・二六事件に関与した陸軍大尉の山口一太郎、地理学者の山口平四郎がいます。弟には海軍中将の山口悦がいます。

栄典

1903年（明治36年）2月20日 - 従五位
1907年（明治40年）12月27日 - 正五位
1913年（大正2年）1月30日 - 従四位
1915年（大正4年）3月1日 - 正四位

勲章等

1895年（明治28年）5月23日 - 勲六等瑞宝章
1906年（明治39年）4月1日 - 功三級金鵄勲章・勲三等旭日中綬章・明治三十七八年従軍記章
1914年（大正3年）5月16日 - 勲二等瑞宝章
1915年（大正4年）11月10日 - 大礼記念章

参考文献

秦郁彦編『日本陸海軍総合事典』第2版、東京大学出版会、2005年。
外山操編『陸海軍将官人事総覧 海軍篇』芙蓉書房出版、1981年。
福川秀樹『日本海軍将官辞典』芙蓉書房出版、2000年。
樋口雄彦『沼津兵学校の研究』吉川弘文館、2007年。ISBN 978-4-642-03780-8

関連項目

* 沼津兵学校

もう一度検索