山崎町 (町田市)

山崎町（やまざきまち）

東京都町田市の中央部に位置する「丁目」を持たない単独町名です。郵便番号は195-0074が割り当てられています。

地理

町田市の地理的中央部に広がる山崎町は、東側に七国山の緑豊かな丘陵地帯を擁し、同じく東側の町境は景勝地として知られる薬師池公園に接しています。周囲を複数の町に囲まれており、北東および東は野津田町、南には本町田、西側は山崎一丁目、木曽西、忠生に隣接し、北西方向には図師町があります。町域の一部、特に野津田町との境付近を鶴見川が流れ、地域の自然景観に彩りを添えています。

居住環境

山崎町の居住空間は多様です。町域の南部大部分は、かつての日本住宅公団（現UR都市再生機構）が開発した大規模な集合住宅群、町田山崎団地と山崎第二団地によって占められています。これらの団地は、近隣の公社町田木曽住宅やUR藤の台団地とともに、広範囲なニュータウンエリアを形成しています。一方、北東部にも都営山崎町アパートやシーアイハイツ町田など、様々な形態の集合住宅が見られます。対照的に、町域北部や七国山の西側斜面には、主に一戸建ての住宅街が広がっています。

歴史と沿革

古代には武蔵国多摩郡柚木領に属していたとされます。地名の由来については諸説ありますが、鎌倉時代に横山党の一族である山崎兼光らがこの地に住んだことに始まるとの説が有力です。しかし、その詳しい起源は現在も判明していません。

近世に入ると、1590年（天正18年）に徳川家康の支配地となり、旗本の簗田孫兵衛正勝の知行地となります。その後、1674年（延宝2年）には、牧野藤左衛門の邸内に祀られていた村の守護神が八幡平（現在の八幡神社の地）へ遷座されました。1696年（元禄9年）には幕府直轄地となり、1702年（元禄15年）には再び分割され、一部が旗本の松平新八郎乗邦の知行地となるなど、複雑な支配変遷を経験しました。

明治維新後、1866年（慶応4年/明治元年）には武蔵知県事および韮山県の管轄となり、後に神奈川県へ移管されました。1871年（明治4年）には区制の下で第三〇区に、1873年（明治6年）には区番組制で第八区五番組となります。さらに1874年（明治7年）の大区小区制では第八大区四小区の一部となりました。1884年（明治17年）の連合戸長役場制では木曽村戸長役場の管轄下に置かれます。

自治体形成の動きの中で、1889年（明治22年）には山崎村、図師村、上小山田村、下小山田村、木曽村、根岸村が合併し、南多摩郡忠生村の大字山崎となりました。その後、1893年（明治26年）には南多摩郡などが神奈川県から東京府へ移管され、東京府南多摩郡忠生村大字山崎に所属が変更されます。1943年（昭和18年）の東京都制施行により、東京都南多摩郡忠生村大字山崎となりました。

昭和期、1958年（昭和33年）には町田町、忠生村、鶴川村、堺村が合併して市制を施行し、町田市が誕生。この時、町田市山崎町となりました。比較的近年では、住居表示の実施に伴う町域の変更があり、2007年（平成19年）12月1日には木曽町、根岸町、山崎町の一部が木曽西一、四、五丁目に再編され、2009年（平成21年）7月1日には山崎町の一部から山崎一丁目が新設されています。

交通網と施設

公共交通としては、神奈川中央交通の路線バスが運行されており、「山崎団地センター」などのバス停留所から町田バスセンターや古淵駅へのアクセスが可能です。

道路網では、町域の南端を東西に走る団地いちょう通りがあり、美しいイチョウ並木が沿道を彩ります。また、南西部の境には、町田街道のバイパス機能を持つ東京都道47号八王子町田線（町田3・3・36号相原鶴間線）が通っています。地域内には忠生公園大橋などの構造物も見られます。

山崎町内および周辺には、住民生活を支える様々な施設が集積しています。

行政施設: 木曽山崎コミュニティセンター、町田市役所木曽山崎連絡所、町田市立木曽山崎図書館。
教育機関: 町田市立七国山小学校、町田市立山崎中学校、東京都立山崎高等学校。
商業施設: スーパー三徳（町田山崎店、町田北店）、スーパー三和山崎店など。
郵便局: 町田山崎郵便局、町田山崎北郵便局。
警察施設: 町田警察署山崎交番。
医療施設: ふくいんクリニック、グランハート町田（医療モール）。
公園・自然: 山崎公園、山崎自然公園、広大な町田薬師池公園四季彩の杜（西園、町田ダリア園、町田かたかごの森を含む）、忠生公園（忠生公園自然観察センターも併設）。
寺社: 孝養寺、飛鳥寺、八幡神社。

これらの施設が、地域住民の日常生活や教育、レクリエーションを支えています。

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