岩崎寛弥

岩崎寛弥（いわさき ひろや）は、1930年7月4日に東京府で生まれ、2008年7月23日に78歳で没した日本の実業家です。三菱財閥の創業者である岩崎弥太郎の曾孫にあたり、三菱銀行の取締役や東山農事の社長を務めました。

生い立ちと家族

岩崎寛弥は、岩崎彦弥太と操子の長男として生まれました。父の彦弥太は、三菱財閥の3代目総帥である岩崎久弥の長男で、戦前は三菱本社の副社長、戦後は三菱地所の取締役を務めた人物です。母の操子は、佐竹東家第17代当主の佐竹義準の三女です。

寛弥の親族には、元三菱製紙会長の岩崎隆弥、元東京海上火災保険常務の岩崎恒弥、エリザベス・サンダースホームの創設者である沢田美喜などがいます。また、母方の伯父には元東洋製作所社長の佐竹義利がいます。

学歴と三菱銀行入行

旧制成蹊高等学校を経て東京大学に入学。東京大学では、若泉敬、矢崎新二、佐々淳行、粕谷一希らと共に学生研究会「土曜会」を結成しました。1953年に東京大学経済学部を卒業後、三菱銀行（現在の三菱UFJ銀行）に入行しました。三菱銀行では、情報開発室長や営業本部営業開発室長などを歴任し、1983年6月には取締役に就任しました。

将来の頭取候補から経営者へ

三菱銀行時代には、「将来の頭取候補」として期待され、「岩崎家に大政奉還はなるか？」と経済メディアに取り上げられるなど注目を集めました。しかし、1985年に非常勤取締役に退き、その後は小岩井農牧やその親会社である東山農事の経営に携わりました。

父の彦弥太が1967年に亡くなった後、岩崎弥太郎家の4代目当主となりました。妻は清水恵美子の長女である美智子で、実子はいませんでした。一時、岩崎輝弥の孫で岩崎英二郎の長男である岩崎透を養子に迎えましたが、後に縁組を解消しました。透の妻は斎藤英雄の二女である秀子です。

親族

建築家の国広ジョージは甥、地質学者・古生物学者で熊本大学名誉教授の岩崎泰頴は又従弟、児童文学作家の勝田紫津子は又従妹にあたります。

系譜

(詳細な系譜については、別途資料を参照ください)

関連事項

三菱グループ
岩崎家

参考文献

沢田美喜 著 『黒い肌と白い心』 日本[[経済新聞社]]、1963年発行、1991年4月20日創樹社より改訂新版第1刷発行
佐藤朝泰 著 『門閥 旧華族階層の復権』 立風書房、1987年4月10日第1刷発行、ISBN 978-4651700328
『昭和人名辞典 第1巻 東京編』 日本図書センター、1987年10月5日発行、ISBN 4-8205-0693-5
神一行 著 『閨閥 新特権階級の系譜』 講談社（講談社文庫）、1993年10月発行、ISBN 978-4061855625

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