常紋信号場

常紋信号場：石北本線の歴史を刻んだ信号場

常紋信号場は、北海道北見市留辺蘂町金華に位置していた、北海道旅客鉄道（JR北海道）石北本線の信号場です。2017年3月4日のダイヤ改正により廃止されました。電報略号は「ヤモ」で、事務管理コードは▲122523でした。

概要

生田原駅から約10.3kmの地点、常紋トンネルの網走方坑口付近に設置されていました。急勾配のため、列車の発進が困難だったことから、スイッチバック方式の配線が採用されました。

開業当初から信号場としての役割を担っていた常紋信号場ですが、一時的に仮乗降場としての扱いとなり、旅客の乗降も認められていました。特に、1970年代には蒸気機関車の運用が終了に近づき、鉄道ファンが多く訪れる場所となりました。

2001年7月1日のダイヤ改正で交換設備の使用が停止された後も、閉塞区間の境界として機能していましたが、JR北海道の経費節減・設備合理化の一環として廃止に至りました。

歴史

1914年（大正3年）10月5日: 湧別軽便線留辺蘂駅～下生田原駅（後の安国駅）間開業に伴い、常紋信号所として開業しました。
1916年（大正5年）11月7日: 留辺蘂駅～遠軽駅間の軌間が1,067mmに改軌されました。
1922年（大正11年）4月1日: 常紋信号場に改称されました。
1922年（大正11年）9月2日: 軽便鉄道法廃止に伴い、湧別線に改称されました。
1922年（大正11年）10月1日: 遠軽駅～野付牛駅（後の北見駅）間が石北線に編入されました。
1949年（昭和24年）6月1日: 国鉄に移管されました。
1951年（昭和26年）4月1日頃: 仮乗降場として旅客の取り扱いが開始されました。
1961年（昭和36年）4月1日: 新旭川駅～網走駅間が石北本線に改称されました。
1975年（昭和50年）7月1日頃: 旅客の取り扱いが終了しました。
1984年（昭和59年）: CTC化により完全無人化されました。
1987年（昭和62年）4月1日: 国鉄分割民営化に伴い、JR北海道に承継されました。
2001年（平成13年）7月1日: 交換設備の使用が停止されました。
2016年（平成28年）10月: 線路スリム化の一環として、使用されていないポイントなどの線路設備が撤去されました。
2017年（平成29年）3月4日: ダイヤ改正により廃止されました。

構造

勾配の途中に位置し、スイッチバック式の構造が特徴でした。側線が3本（網走方から見て本線の左側に2本、右側に1本）あり、分岐器部分は大型のスノーシェルターで覆われていました。

周辺環境

常紋トンネルの留辺蘂側に位置し、周囲は森林に囲まれた環境でした。

隣の施設

常紋信号場は、長い歴史の中で石北本線に貢献し、鉄道ファンにも愛された場所でした。その廃止は、時代の流れの中で避けられない選択だったと言えるでしょう。

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