平岡道弘

平岡道弘は、江戸時代後期から末期にかけて生きた人物で、旗本から大名へと身を立て、安房船形藩の初代藩主となりました。

生涯

平岡道弘は、旗本大番席の藤沢次和の子として、甲斐国府中で生まれました。文政3年（1820年）9月、西丸小納戸頭の旗本であった平岡道忠の養子となり、文政5年（1822年）に書院番として幕府に出仕しました。天保8年（1837年）に平岡家の家督を継ぎ、嘉永2年（1849年）には、12代将軍徳川家慶、13代将軍徳川家定の御側御用取次という要職に就任し、2000石を与えられました。

平岡道弘は、南紀派の一員として、信濃上田藩主であった松平忠固を支持し、井伊直弼が大老に就任するのを助けました。他の南紀派のメンバーが処罰を受ける中で、平岡道弘は文久2年（1862年）8月24日に若年寄に昇進し、5000石に加増されました。

元治元年（1864年）10月、平岡道弘は安房国内で1万石を加増され、大名に列することとなりました。翌慶応元年（1865年）には、安房国平郡船形村御霊に陣屋を建設し、船形藩を立藩しました。慶応2年（1866年）11月には、火付盗賊改方役宅であった屋敷と敷地、そして隣地を幕府から与えられました。慶応3年（1867年）5月には京都見廻役を命ぜられましたが、6月には若年寄を辞任しました。

慶応4年（1868年）2月12日、平岡道弘は松平春嶽の意見を受け入れ、徳川慶喜が江戸城を退去し、上野寛永寺大慈院に移る際に浅野氏祐らと共に随行しました。しかし、同年7月には、未完のままだった船形陣屋を領地と共に奉還し、安房上総監察兼知県事であった柴山文平に引き渡しました。明治2年（1869年）6月23日には静岡藩の大参事（家老）となりましたが、廃藩置県によって免職となりました。

このように、平岡道弘は幕末の激動期において、幕府の要職を歴任し、政治的な影響力を持った人物でした。しかし、時代の流れには逆らえず、最終的には官職を離れることとなりました。

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