府中出張城

府中出張城（ふちゅうではりじょう）

府中出張城は、現在の広島県安芸郡府中町にあった日本の城です。ただし、「出張城」という名称は近世になってからのもので、古文書などでは府城、国府城、芸府城などと記されています。

歴史

築城された年代ははっきりとは分かっていませんが、応永年間（1394年 - 1428年）の頃、千葉氏の末裔である白井氏の当主、白井胤時によって築かれたと伝えられています。

室町時代に入ると、白井氏は独立性を失い、安芸国の安芸武田氏に従属するようになります。その後、安芸武田氏の勢力が衰え、周防国の大名である大内氏が影響力を持つようになると、大内氏の支配下に入りました。地理的な関係から水軍を重視し、仁保島城を中心に周辺海域を通過する商船から通行料を徴収していました。

1555年（弘治元年）の厳島の戦いにおいては、陶氏方に味方し、毛利元就に抵抗しました。しかし、戦後、毛利氏に降伏し、小早川隆景の傘下に入ることとなりました。

毛利氏の勢力拡大とともに、府中出張城はその重要性を失っていったと考えられています。廃城となった時期は不明です。

構造

標高35mの丘の上に本丸が配置され、その周辺には居館があったと推測されていますが、現在では畑や住宅地となっており、城の構造を完全に知ることはできません。

関連項目

日本の城一覧
佐東銀山城
三入高松城
桜尾城
草津城
己斐城
仁保城
矢野城
広島城

外部リンク

史跡・遺跡　出張城跡（ではりじょうあと） - 府中町
* 出張城跡 - 府中町

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