張都暎

生涯

張都暎（チャン・ドヨン）は、1923年1月23日に生まれ、2012年8月3日に89歳で亡くなった韓国の軍人・政治家です。キリスト教徒の家庭に育ち、新義州東中学校では陸上選手として活躍しました。東洋大学史学科在学中に学徒出陣し、中国戦線に派遣され、終戦時には少尉でした。

終戦後、帰国のためにムクン団を組織し、列車で南京から安東まで移動し帰国しました。日本統治終了後は、李應俊の勧めで南朝鮮国防警備隊に入隊し、少尉に任官。第6連隊の小隊長として赴任後、第3連隊中隊長、大隊長、第5連隊長、第9連隊長を歴任しました。1949年には陸軍本部情報局長に就任しています。

朝鮮戦争勃発直後には、残匪掃討と赤色分子の捜索を命じられました。その後、第6師団長、第1訓練所長を務め、アメリカ陸軍指揮幕僚大学に留学しました。

1954年には第2軍団長、1956年には陸軍参謀次長、陸軍教育総長、第2軍司令官を歴任しました。

朝鮮戦争での活躍

朝鮮戦争中の1951年5月、張都暎が率いる韓国軍第6師団は、破虜湖付近で中国軍第63師団と激戦を繰り広げ、中国軍に大きな損害を与えました。この戦いで、中国軍は2万人を超える死者と2,617人の捕虜を出し、韓国軍は大きな勝利を収めました。この戦いは、韓国軍が挙げた最大の勝利の一つとして知られています。戦後、李承晩大統領がこの湖を「破虜湖」と命名しました。

政治的転換

1961年、第二共和国成立後に張勉首相によって陸軍参謀総長に任命されましたが、同年の5・16軍事クーデターでは傍観しました。クーデター後、国家再建最高会議議長、内閣首班、国防長官を兼任しましたが、副議長の朴正煕によって議長を解任され、事実上失脚しました。

朴政権成立後、1962年に中央情報部によって反革命・内乱陰謀容疑で逮捕され、無期懲役判決を受けましたが、後に釈放され、アメリカへ亡命しました。1969年にはミシガン大学で政治学の博士号を取得し、1993年までウィスコンシン大学で政治学教授を務めました。

晩年には認知症を患っていることが報じられ、2012年にフロリダ州オーランドで生涯を閉じました。

受勲

レジオン・オブ・メリット (1950年12月28日、1951年9月25日)
シルバースター (1953年3月26日、1953年4月29日)
銀星太極武功勲章 (1954年7月6日)

関連事項

破虜湖の戦い
尹潽善
張勉
張俊河
尹致暎
* 金鍾泌

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