徐璆

徐璆の生涯と功績

徐璆（じょ きゅう、生没年不詳）は、中国の後漢末期において活動した重要な政治家であり、彼の業績は歴史的文献で記録されています。彼は徐州広陵郡海西県の出身で、字は孟玉と呼ばれています。

略歴と背景

徐璆の父、徐淑は度遼将軍を務めており、当時の辺境で非常に名の知られた人物でした。徐璆自身も若い頃から学識が豊かであり、三公の府に招かれるなど、早い段階でその才能を認められました。その後、彼は荊州刺史に昇進し、政治の舞台でその手腕を発揮することになります。

当時、南陽太守であった張忠は、権力を背景に不正を働いており、財を蓄えていました。この状況を憂慮した董太后が宦官を使って徐璆に対し、張忠を見逃すように頼みました。しかし、徐璆は「私は国のために敢えて命令に従うことはできません」と明言し、逆に彼自身の立場を危うくすることとなります。董太后は怒り、張忠を司隷校尉に任命し、徐璆を監察する権限を持った地位に就けました。

徐璆はその後、着任するとすぐに張忠を含む多くの汚職を摘発し、正義を貫く姿勢を見せました。中平元年（184年）には、黄巾の乱が発生し、中郎将朱儁とともに韓忠らを撃破しましたが、張忠の怨恨により、宦官たちと共謀され、虚偽の罪を着せられます。それでも彼は処罰を免れ、再び重要な役職に就くことができました。

政治活動と影響

徐璆はその後、汝南太守や東海相といった地位に就き、これらの地方を改良し、民の生活を向上させることに尽力しました。彼の汝南太守としての任期中には、許劭を功曹に任命するなど、適材適所の人事も行いました。また、徐州刺史の陶謙や北海相の孔融と連携し、朱儁を盟主とした連合を形成した形跡も見られます。

献帝が許に遷都する際、徐璆は廷尉に任命されますが、その途上で袁術に囚われてしまいます。袁術は彼に上公の地位を提供しようとしましたが、徐璆はそれを拒否し、忠義を示しました。袁術の敗北と死後、徐璆は袁術が所持していた伝国璽を発見し、献帝のもとに持参して無事に返上しました。彼は「昔、蘇武は匈奴に抑留されていても七尺の節を失わなかった。まして一寸四方の印は当然守るべきです」と誇り高く答えました。

その後、徐璆は太常に任命され、曹操が丞相に就任する際には、その使者を勤めました。曹操は彼にその地位を譲ろうとしましたが、徐璆はこれを辞退し、最後まで官職に就いて生涯を終えました。

文学と評価

歴史上の記録や文学作品で徐璆の生涯が描かれることがあり、小説『三国志演義』では、袁術の亡き後、彼の棺を守って逃げる袁胤を討ち取ったことで、新たな地位を与えられたとされています。彼の生涯は、権力と利権の狭間にありながらも、公平で正義を重んじた政治家として記憶されています。

徐璆の行動は、後漢末期の混乱の中でも真摯に国を思う姿勢が評価され、後世への示唆となりました。

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