愛国駅

愛国駅（あいこくえき）

愛国駅は、かつて北海道帯広市愛国町に位置していた、日本国有鉄道（国鉄）広尾線の駅です。1929年に開業し、広尾線の廃止とともに1987年にその歴史を閉じました。電報略号は「アコ」、事務管理コードは▲111503でした。

歴史

1929年（昭和4年）11月2日：国鉄広尾線の帯広駅 - 中札内駅間開通に伴い開業。
1945年（昭和20年）7月16日：砂利線使用開始。
1974年（昭和49年）12月15日：貨物・荷物取扱い廃止、無人化。
1979年（昭和54年）8月1日：駅舎改築、記念乗車券4万5千枚を販売。
1987年（昭和62年）2月2日：広尾線の廃線に伴い廃止。

駅名は、所在地名に由来し、この地を開拓した「愛国青年団」にちなんでいます。

駅構造

廃止時点では、単式ホーム1面1線を有する地上駅でした。ホームは線路の西側（広尾方面に向かって右手側）に位置していました。かつては相対式ホーム2面2線を持つ列車交換可能な駅でしたが、交換設備運用廃止後は、使われなくなった線路は側線として残されていました。また、駅舎側には貨物ホームへの側線もありました。

本来は無人駅でしたが、大正駅の助役が当駅の助役を兼務しており、実質的に有人駅でした。駅舎は構内の南西側に位置し、ホームの中央部分に接していました。ホームには「愛国から幸福ゆき」の乗車券を模した駅名標や庭園が作られ、「わたしの旅スタンプ」が設置されていました。駅横には、ヨ3500形車掌車を再利用した売店も存在しました。

利用状況

1981年度（昭和56年度）の1日乗降客数は742人でした。

駅周辺

駅周辺には以下の施設や道路があります。

北海道道595号愛国停車場線
北海道道962号愛国停車場古舞線
国道236号（広尾国道）
帯広広尾自動車道帯広川西インターチェンジ
愛国簡易郵便局
愛の国郷土博物館
札内川
十勝バス「愛国」停留所

駅跡

駅跡は帯広市によって「愛国交通記念館」として整備されています。旧駅舎内には、当時使用されていた閉塞器、通標、備品、乗車券、駅スタンプ、写真パネルなどが保存・展示されています。駅構内は営業当時のまま保存されており、線路上には9600形蒸気機関車19671号機が静態保存・展示されています。「愛国から幸福ゆき」の乗車券をモチーフにした石碑や、同切符の販売1,000万枚を記念した石碑も設置されています。駅横にあったヨ3500形車掌車を再利用した売店は、2011年時点では廃棄されています。

記念館を含む周辺は公園として整備され、ハート型の噴水、遊具、バーベキュー小屋などが設置されています。

「愛の国から幸福へ」ブーム

1973年（昭和48年）3月、NHKの紀行番組で幸福駅とともに紹介されたことがきっかけで、全国的な人気を博しました。「愛国→幸福」の乗車券は、1978年（昭和53年）7月に1,000万枚を突破し、1981年末には1,200万枚、売上総額は9億4,000万円に達しました。駅前には記念碑が設置され、現在も駅前の商店で乗車券のレプリカがキーホルダーとともに販売されているほか、十勝バスでも「愛国から幸福ゆき」のバス乗車券が販売されています。

隣の駅

日本国有鉄道 広尾線
北愛国駅 - 愛国駅 - 大正駅

関連項目

特定地方交通線

外部リンク

「愛の国から幸福へ」愛国駅・幸福駅 - 帯広市による観光情報

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