慈悲心鳥

概要

『慈悲心鳥』（じひしんちょう）は、菊池寛によって書かれた長編小説です。この作品は、婦女界社が発行していた雑誌「母の友」にて、1921年（大正10年）5月号から1922年6月号にかけて、全14回にわたって連載されました。連載後、第1章のみが「生田川」と題され、再び同誌に掲載されたこともあります。

この小説は、その後、複数回にわたって映画化されています。日活では1927年と1936年に、新東宝では1954年にそれぞれ映画が制作されました。特に1927年版は、現存するフィルムがごく一部であるものの、その一部が公開され、注目を集めました。

映画化

1927年版

1927年9月15日に公開されたこの映画は、モノクロのサイレント映画でした。上映時間は全128分でしたが、現在確認されているのはわずか2分間の断片のみです。この貴重な断片は、2012年に東京国立近代美術館フィルムセンターによって公開されました。

キャスト

山本嘉一（駒井代議士役）
中野英治（河井龍太郎役）
岡田時彦（篠原俊輔役）
高木永二（岡崎国政会総裁役）
夏川静江（森美智子役）
原光代（駒井静子役）
築地浪子（駒井の後妻役）
牧貴美子（静子の叔母役）

スタッフ

監督：溝口健二
助監督：安積幸二
原作：菊池寛
脚色：畑本秋一
撮影：横田達之、中山良夫
舞台装置：北猛夫
舞台製作：広瀬秀次
照明：鈴木柳太郎
衣裳考証・字幕：小栗美二

1936年版

この映画版では、以下のキャストとスタッフが参加しました。

キャスト

江川宇礼雄
黒田記代
岡譲二

スタッフ

監督：渡辺邦男
原作：菊池寛
脚本：荒牧芳郎
撮影：渡辺孝

主題歌

「慈悲心鳥の唄」（歌：楠木繁夫、作詞：佐藤惣之助、作曲：古賀政男）

1954年版

1954年に制作されたこの映画は、豪華なキャストを迎え、新たな解釈で描かれました。

キャスト

駒居静子：角梨枝子
駒居洋一：日吉としやす
駒居直亮：斎藤達雄
駒居保代：坪内美子
駒居ルミ子：邦千代子
公子：香川京子
篠原俊輔：中山昭二
篠原早人：小川虎之助
篠原光枝：清川玉枝
篠原猛：和田孝
河井龍太郎：波多野憲
河井致江：小峰千代子
管野：宇野重吉
主任検事：高田稔
堀検事：高松政雄
検察事務官：安部徹

スタッフ

監督：松林宗恵
原作：菊池寛
脚色：館岡謙之助、松岡広行
音楽：斎藤一郎

外部リンク

慈悲心鳥(1927) - 国立映画アーカイブ
* 慈悲心鳥(1927) - 日活

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