戦場の狼
1985年5月、カプコンよりアーケードゲームとして稼働を開始した『戦場の狼』は、日本国外では『Commando』というタイトルでも親しまれた縦スクロール方式のアクションシューティングゲームです。
プレイヤーは孤高の特殊部隊員「スーパージョー」を操作し、自動小銃と手榴弾、そして自らの勇気を武器に、圧倒的な数の敵軍を相手に単身戦いを挑みます。ゲームは画面が上方向へ自動的にスクロールする中、プレイヤーは敵兵を倒しながら進攻します。操作は8方向レバーと、それぞれ射撃と手榴弾を使用する2つのボタンで行います。敵からの攻撃を受けるか、敵兵に接触するとプレイヤーはミスとなり、残機を失います。
ゲームプレイの進行において、プレイヤーは捕らえられた捕虜を救出することで高得点を得られます。各ステージの終盤に到達すると画面のスクロールが止まり、多数の敵が出現します。これらを全て殲滅することでステージクリアとなります。また、緑色の戦闘服を着た司令官が時折登場しますが、彼らを倒すことでも高得点が得られます。司令官はプレイヤーを攻撃せず、画面下方向へ逃亡しようとします。
スーパージョーが携行する武器のうち、自動小銃には弾数の制限はありませんが、手榴弾は使用回数に限りがあります。手榴弾の残弾は、ステージ中に設置された特定の弾薬箱を取得することで最大99個まで補充可能です。手榴弾は自動小銃では破壊できない敵の銃座や、強固なトーチカ（破壊には複数回の投擲が必要）を破壊する際に有効な強力な武器ですが、放物線を描いて飛んでいくため、その着弾地点を予測するにはある程度の慣れが必要です。ステージが進むにつれて、敵兵の構成は変化し、トラックやサイドカーに乗った敵兵が突進してきたり、バズーカを装備した兵士が登場するなど、攻略はより手強くなっていきます。ゲームは全8ステージで構成されており、これをクリアすると再び最初のステージへと戻るループ形式が採用されており、明確なエンディング画面は存在しませんでした。
アーケード版の稼働当時には、デモ画面で「はがきを出してPGCプレゼント」というユニークなキャンペーンが告知されていました。「PGC」とは「プレイゲームカード」の略で、プレイヤーがゲームをプレイした感想などをカプコンに送ると、そのゲームの絵葉書が返送されるという、当時のカプコン独自のベリカードに似た企画でした。この告知がゲーム画面内に直接表示されたのは『戦場の狼』が唯一だったとされています。また、本作はカプコンのアーケードゲームとして初めてFM音源（YM2203）を採用し、印象的なゲームサウンドを実現しました。旧バージョンの特定の場所で永久パターンが存在したことや、日本国外向けには敵のデザインがロボット風に変更された『Space Invasion』という別バージョンが存在したことも知られています。
アーケードでの人気を受け、『戦場の狼』は様々な家庭用ゲーム機やパソコンに移植されました。特に1986年にリリースされたファミリーコンピュータ版は、カプコン自身が初めて移植を手がけたタイトルとして知られています。FC版はアーケード版をベースとしつつも、ステージ構成は4ステージ1周に変更され、特定の場所を手榴弾で破壊して入れる地下室や、武器のパワーアップといった独自の要素が追加されました。多数の裏技も存在しましたが、アーケード版と比較すると、スプライトのちらつきや敵キャラクターが画面から突然消えるといった、技術的な課題も見受けられました。FC版のテレビCMでは、声優の山田康雄氏がナレーションを担当しています。その他、PC-8801、FM-7、MSXといった国内パソコン、そして海外を中心にBBC Micro、コモドール64、Atari 2600など、多くの機種に『COMMANDO』のタイトルで移植されました。後年には、PlayStation、セガサターン、PlayStation 2、Xbox、PlayStation Portable向けに発売された複数のオムニバスソフトにアーケード版が収録されたほか、Wiiのバーチャルコンソールアーケードや、iOS、Nintendo Switch、PlayStation 4|PlayStation_4、Xbox One、PC(Steam)といった現代のデジタル配信プラットフォームでもアーケード版がプレイできるようになっています。
本作の評価としては、1998年にゲーメストムック『ザ・ベストゲーム2』において、「名作・秀作・天才的タイトル」として高く評価されました。特に、手榴弾を障害物越しに多数の敵に命中させて一網打尽にする爽快感や、単身敵の大軍に挑むという設定が生み出す高い緊張感が称賛されています。一方で、難易度が高すぎたために、短期間で爆発的な人気を得たものの、長期的な稼働には繋がらなかった点も指摘されています。しかし、その基本的なゲームシステムは、後の縦スクロールアクションシューティング、例えば『アウトゾーン』といった作品に影響を与えた先駆的作品であったと位置づけられています。ファミリーコンピュータ版も、『ファミリーコンピュータMagazine』の読者投票による「ゲーム通信簿」では30点満点中21.09点という評価を得ています。
『戦場の狼』は続編も制作されており、1990年にはアーケードゲーム『戦場の狼II』が登場しました。また、2008年には日本国外限定でダウンロード販売された『Wolf of the Battlefield: Commando 3』があり、こちらは3Dグラフィックで描かれ、『戦場の狼II』から続くストーリーが展開されました。
本作の主人公であるスーパージョーは、カプコンの他の複数のゲームにも登場するキャラクターです。『トップシークレット』の日本国外版の主人公として、また『ヒットラーの復活』や『バイオニックコマンドー』といった作品に登場し、彼の設定や背景が掘り下げられるなど、カプコン作品世界における重要なキャラクターの一人となっています。
プレイヤーは孤高の特殊部隊員「スーパージョー」を操作し、自動小銃と手榴弾、そして自らの勇気を武器に、圧倒的な数の敵軍を相手に単身戦いを挑みます。ゲームは画面が上方向へ自動的にスクロールする中、プレイヤーは敵兵を倒しながら進攻します。操作は8方向レバーと、それぞれ射撃と手榴弾を使用する2つのボタンで行います。敵からの攻撃を受けるか、敵兵に接触するとプレイヤーはミスとなり、残機を失います。
ゲームプレイの進行において、プレイヤーは捕らえられた捕虜を救出することで高得点を得られます。各ステージの終盤に到達すると画面のスクロールが止まり、多数の敵が出現します。これらを全て殲滅することでステージクリアとなります。また、緑色の戦闘服を着た司令官が時折登場しますが、彼らを倒すことでも高得点が得られます。司令官はプレイヤーを攻撃せず、画面下方向へ逃亡しようとします。
スーパージョーが携行する武器のうち、自動小銃には弾数の制限はありませんが、手榴弾は使用回数に限りがあります。手榴弾の残弾は、ステージ中に設置された特定の弾薬箱を取得することで最大99個まで補充可能です。手榴弾は自動小銃では破壊できない敵の銃座や、強固なトーチカ（破壊には複数回の投擲が必要）を破壊する際に有効な強力な武器ですが、放物線を描いて飛んでいくため、その着弾地点を予測するにはある程度の慣れが必要です。ステージが進むにつれて、敵兵の構成は変化し、トラックやサイドカーに乗った敵兵が突進してきたり、バズーカを装備した兵士が登場するなど、攻略はより手強くなっていきます。ゲームは全8ステージで構成されており、これをクリアすると再び最初のステージへと戻るループ形式が採用されており、明確なエンディング画面は存在しませんでした。
アーケード版の稼働当時には、デモ画面で「はがきを出してPGCプレゼント」というユニークなキャンペーンが告知されていました。「PGC」とは「プレイゲームカード」の略で、プレイヤーがゲームをプレイした感想などをカプコンに送ると、そのゲームの絵葉書が返送されるという、当時のカプコン独自のベリカードに似た企画でした。この告知がゲーム画面内に直接表示されたのは『戦場の狼』が唯一だったとされています。また、本作はカプコンのアーケードゲームとして初めてFM音源（YM2203）を採用し、印象的なゲームサウンドを実現しました。旧バージョンの特定の場所で永久パターンが存在したことや、日本国外向けには敵のデザインがロボット風に変更された『Space Invasion』という別バージョンが存在したことも知られています。
アーケードでの人気を受け、『戦場の狼』は様々な家庭用ゲーム機やパソコンに移植されました。特に1986年にリリースされたファミリーコンピュータ版は、カプコン自身が初めて移植を手がけたタイトルとして知られています。FC版はアーケード版をベースとしつつも、ステージ構成は4ステージ1周に変更され、特定の場所を手榴弾で破壊して入れる地下室や、武器のパワーアップといった独自の要素が追加されました。多数の裏技も存在しましたが、アーケード版と比較すると、スプライトのちらつきや敵キャラクターが画面から突然消えるといった、技術的な課題も見受けられました。FC版のテレビCMでは、声優の山田康雄氏がナレーションを担当しています。その他、PC-8801、FM-7、MSXといった国内パソコン、そして海外を中心にBBC Micro、コモドール64、Atari 2600など、多くの機種に『COMMANDO』のタイトルで移植されました。後年には、PlayStation、セガサターン、PlayStation 2、Xbox、PlayStation Portable向けに発売された複数のオムニバスソフトにアーケード版が収録されたほか、Wiiのバーチャルコンソールアーケードや、iOS、Nintendo Switch、PlayStation 4|PlayStation_4、Xbox One、PC(Steam)といった現代のデジタル配信プラットフォームでもアーケード版がプレイできるようになっています。
本作の評価としては、1998年にゲーメストムック『ザ・ベストゲーム2』において、「名作・秀作・天才的タイトル」として高く評価されました。特に、手榴弾を障害物越しに多数の敵に命中させて一網打尽にする爽快感や、単身敵の大軍に挑むという設定が生み出す高い緊張感が称賛されています。一方で、難易度が高すぎたために、短期間で爆発的な人気を得たものの、長期的な稼働には繋がらなかった点も指摘されています。しかし、その基本的なゲームシステムは、後の縦スクロールアクションシューティング、例えば『アウトゾーン』といった作品に影響を与えた先駆的作品であったと位置づけられています。ファミリーコンピュータ版も、『ファミリーコンピュータMagazine』の読者投票による「ゲーム通信簿」では30点満点中21.09点という評価を得ています。
『戦場の狼』は続編も制作されており、1990年にはアーケードゲーム『戦場の狼II』が登場しました。また、2008年には日本国外限定でダウンロード販売された『Wolf of the Battlefield: Commando 3』があり、こちらは3Dグラフィックで描かれ、『戦場の狼II』から続くストーリーが展開されました。
本作の主人公であるスーパージョーは、カプコンの他の複数のゲームにも登場するキャラクターです。『トップシークレット』の日本国外版の主人公として、また『ヒットラーの復活』や『バイオニックコマンドー』といった作品に登場し、彼の設定や背景が掘り下げられるなど、カプコン作品世界における重要なキャラクターの一人となっています。
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