拓跋楨

拓跋楨（たくばつ てい）

拓跋楨（447年 - 496年）は、北魏の皇族であり、南安恵王の称号を持ちました。

生涯

拓跋楨は、拓跋晃と劉椒房の間に生まれました。468年（皇興2年）に南安王に封じられ、征南大将軍および中都大官の位を授けられました。その後、内都大官に転じました。孝文帝が即位すると、涼州鎮都大将に任命され、その綏撫の才能が認められ、都督西戎諸軍事、征西大将軍、領護西域校尉、儀同三司、涼州刺史といった数々の要職を兼任しました。その後、召還されて再び内都大官となり、使持節、侍中、征西大将軍、開府、長安鎮都大将、雍州刺史として再び地方に派遣されました。

孝文帝は皇信堂で拓跋楨に会見し、彼に三つの教訓を与えて戒めました。しかし、拓跋楨はこれを守ることができず、後に財産を蓄積し、気ままな振る舞いが目立つようになりました。文明太后は汝陰王拓跋天賜と共に拓跋楨を処罰するよう孝文帝に命じ、孝文帝は拓跋楨の南安王の地位を剥奪し、庶人に落として私邸に幽閉しました。

その後、拓跋楨は孝文帝の南征に従って洛陽に到着し、率先して孝文帝の洛陽遷都計画に賛同したため、孝文帝に大変喜ばれました。拓跋楨の母である劉太妃が亡くなると、孝文帝は自ら拓跋楨の邸を訪れて慰めました。遷都が決定されると、拓跋楨は再び南安王に封じられ、食邑1000戸を与えられました。鎮北大将軍・相州刺史として赴任することになり、孝文帝は華林都亭で餞別しました。

496年（太和20年）5月、鄴に到着しました。鄴城には石虎の廟があり、祀られていました。拓跋楨は「三日雨が降らなければ、鞭打ちの罰を加えるべきだ」と言い、石虎の神像に降雨を祈願しましたが、効果がなかったため、神像を100回鞭打ちました。その月のうちに、拓跋楨は背中に腫れ物ができ、それが原因で亡くなりました。諡は恵とされました。かつて拓跋楨は恒州刺史の穆泰の反乱計画を知りながら報告しなかったことがあり、このため、死後に遡って南安王の爵位を再び剥奪されました。

子女

男子

元英
元彬
元怡
元並洛

女子

北郷郡長公主（爾朱栄の妻）

子孫

子孫からは、元曄（元怡の子）と元朗（元彬の子の元融の子）の2人の皇帝が出ています。いずれも諡号を贈られなかった廃帝です。

伝記資料

『魏書』巻19下 列伝第7下
『北史』巻18 列伝第6
使持節鎮北大将軍相州刺史南安王墓誌（元楨墓誌）

もう一度検索