持明院家行

持明院家行（じみょういん いえゆき）は、鎌倉時代前期に活躍した公卿です。非参議であった持明院基宗の次男として生まれ、正三位・権中納言という高い官位にまで上り詰めました。

生涯

家行は、養和元年（1181年）に従五位下に叙爵されたのを皮切りに、文治2年（1186年）には備後守に任ぜられました。兄の早世により嫡男となった後は、建久4年（1193年）に淡路守を務めるなど、順調に官途を歩みます。

建久6年（1195年）には従五位上に叙せられ、その後も備後守、紀伊守といった地方官を歴任。正治2年（1200年）には侍従に任ぜられ、春日祭の饗で前駈を務めるなど、朝廷における存在感を高めていきました。

建仁4年（1204年）に正五位下に叙せられた後、元久2年（1205年）には左近衛少将に任ぜられ、この頃に名を家能から家行に改めます。元久3年（1206年）には従四位下に昇叙し、承元5年（1211年）には従四位上・左近衛中将に叙任、建保2年（1214年）には正四位下に進みました。

建保6年（1218年）に従三位に叙せられ、ついに公卿の仲間入りを果たします。承久3年（1221年）には参議に任ぜられ、承久4年（1222年）には正三位・備後権守に叙任され、左衛門督・検非違使別当を兼帯するなど、要職を歴任しました。嘉禄元年（1225年）には権中納言にまで昇進しますが、同年より腫物に悩まされ、左衛門督・検非違使別当を辞任。数ヶ月後には権中納言も辞し、嘉禄2年（1226年）に出家。その2日後に52歳でこの世を去りました。

官歴

養和元年11月（1182年1月）：従五位下
文治2年12月（1187年1月）：備後守
建久4年（1193年）正月：淡路守
建久6年（1195年）3月：従五位上
建久7年（1196年）正月：備後守
正治元年（1199年）10月：紀伊守
正治2年（1200年）正月：侍従、守を兼任
建仁4年（1204年）正月：正五位下
元久2年（1205年）正月：左近衛少将、家行に改名
元久3年（1206年）正月：従四位下
承元5年（1211年）正月：従四位上
承元5年（1211年）11月：左近衛中将
建保2年（1214年）正月：正四位下
建保6年（1218年）12月：従三位
承久3年（1221年）12月：参議
承久4年（1222年）正月：備前権守
承久4年（1222年）8月：正三位
承久4年（1222年）12月：左衛門督、検非違使別当
嘉禄元年（1225年）7月：権中納言、左衛門督別当如元
嘉禄元年（1225年）11月：左衛門督別当を辞任
嘉禄元年（1225年）12月：権中納言を辞任
嘉禄2年（1226年）2月：出家
嘉禄2年（1226年）2月：薨去

系譜

父：持明院基宗
母：昌玄の娘
妻：藤原定能の娘
長男：持明院家定
女子：別当典侍（後堀河天皇典侍）
次男：持明院基長
女子：藤原頼経室

持明院家行は、鎌倉時代前期の朝廷において、着実に昇進を重ね、重要な役割を果たした人物でした。彼の生涯は、当時の公家社会の有り様を垣間見せてくれます。

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