新井駅 (新潟県)

新井駅

新潟県妙高市栄町に所在する新井駅は、えちごトキめき鉄道の妙高はねうまラインと日本貨物鉄道（JR貨物）が乗り入れる駅です。

概要

妙高市の主要駅の一つとして位置づけられており、新潟駅と北陸新幹線の上越妙高駅を結ぶ特急「しらゆき」の一部列車が当駅を始発・終着としています。

北陸新幹線が金沢まで延伸される以前、当駅は東日本旅客鉄道（JR東日本）の信越本線に属していました。しかし、2015年（平成27年）3月14日の北陸新幹線延伸開業に伴い、並行在来線として経営が分離され、第三セクターであるえちごトキめき鉄道に運営が移管されました。JR東日本時代の乗車券には、兵庫県にある播但線の新井（にい）駅との区別のために「（信）新井」と印字されていました。

歴史

新井駅は1886年（明治19年）8月15日に国鉄の駅として、直江津駅から関山駅までの区間が開通した際に開設されました。同年の8月20日には貨物の取り扱いが開始されています。駅施設の改良も進められ、1954年（昭和29年）1月2日には跨線橋の架け替えが完了しました。現在の駅舎は1962年（昭和37年）10月に完成しています。旅客サービスとしては、1977年（昭和52年）7月1日には「みどりの窓口」が開設されました。しかし、鉄道貨物輸送や荷物扱いからは撤退が進み、1986年（昭和61年）3月3日には荷物扱いが廃止されました。1987年（昭和62年）4月1日には国鉄分割民営化により、JR東日本とJR貨物の駅となりました。

JR貨物としては1994年（平成6年）10月1日にコンテナ貨物の取り扱いを開始しましたが、2007年（平成19年）12月27日を最後に貨物列車の運行が終了し、2008年（平成20年）3月15日のダイヤ改正をもって貨物列車設定自体が廃止されました。

北陸新幹線延伸に伴う大きな転換は2015年（平成27年）3月14日に起こりました。これにより、駅の管轄がJR東日本からえちごトキめき鉄道に移管されました。この移管時に、特急「しらゆき」の新潟駅発着便のうち2往復が当駅発着に変更されたほか、当駅と新潟駅を結ぶ快速列車が新たに設定されました。移管後も設備の更新は行われ、2017年（平成29年）5月1日にはJR線切符の発券システムがマルス端末に更新されました。また、2018年（平成30年）3月17日のダイヤ改正では、あいの風とやま鉄道線および日本海ひすいラインから直江津を経由して当駅へ直通する列車が登場しました。比較的新しい動きとしては、2023年（令和5年）2月13日に1番線ホーム上に学生向けの自習スペース「studyオアシス」が設けられました（利用時間限定）。

駅構造

新井駅は地上駅であり、全体として島式ホーム1面2線と単式ホーム1面1線の計2面3線を有しています。駅舎は単式ホーム側、具体的には1番のりば側に建てられており、各ホーム間の移動は跨線橋を利用します。

当駅はえちごトキめき鉄道が直接管理する直営駅であり、地区管理駅として管区内の二本木駅も管理しています。駅舎内のコンコースには、切符購入や改札を行う窓口と有人改札口が設けられています（窓口営業時間：7時00分～18時00分）。その他、タッチパネル式の自動券売機、屋内で列車を待つための待合室、自動販売機などが設置されています。窓口では、えちごトキめき鉄道線の乗車券に加え、マルス端末を用いて全国のJR線の乗車券や特急券、特別企画乗車券なども購入可能です。利用可能な化粧室は、改札の外（駅舎左側）と1番線ホーム上にあります。

JR東日本による管理時代は、新潟支社管轄の直営駅（駅長配置）で、当駅単独での管理体制でした。この頃も「みどりの窓口」や有人改札口（営業時間：6時30分～20時00分）があり、待合室内には2015年（平成27年）1月10日まで売店「KIOSK」が営業していました。また、企画乗車券と連携したレンタサイクルの貸し出しサービスも提供されていましたが、えちごトキめき鉄道への移管時に廃止されています。

のりばは以下の通りです。

1番のりば：下り（直江津・上越妙高方面）
2番のりば：上り（妙高高原方面）
3番のりば：特急「しらゆき」

なお、1番のりばと2番のりばの間には中線が設置されており、かつて貨物列車の停車や入換作業に使用されていました。

貨物取扱

JR貨物の駅としては、専用線を利用したコンテナ貨物および車扱貨物の取扱駅として登録されています。しかし、2008年（平成20年）3月15日のダイヤ改正で貨物列車の設定が廃止されたため、現在貨物列車の発着はありません。旅客駅がえちごトキめき鉄道に移管された後も、JR貨物駅としての登録は抹消されていません。

貨物列車が運行されていた2007年末以前は、駅の北側に位置するダイセル新井工場へと続く専用線が存在し、コンテナ車やタンク車を用いて原料や製品の輸送が行われていました。具体的には、酒田港駅から液化塩素や苛性ソーダといった化学薬品が到着し、化学薬品の発送も行っていました。

利用状況

2023年度（令和5年度）における1日の平均乗車人員は774人でした。2000年度（平成12年度）以降の乗車人員の推移が公表されています。ただし、2000年度から2014年度までのデータはJR東日本による集計であり、2014年度の統計については非公表となっています。

駅周辺

新井駅の周囲は、妙高市の行政や商業の中心地である新井市街地が広がっています。駅正面側、特に西へ延びる通りは商店街となっており、様々な店舗や飲食店が軒を連ねています。北側の通りは片持ちアーケードが特徴的な商店街で、かつてスーパーマーケットもありました。この商店街では毎月6日、10日、26日、30日に「六・十市」と呼ばれる朝市が開かれ、多くの人で賑わいます。南側の通り（新潟県道125号新井停車場線）沿いには、頸南バス新井バスターミナルや妙高市役所が位置しています。

駅から西へ約400メートルほどの距離にある南北の通りは歴史的な北国街道の一部であり、かつては宿場町「新井宿」として栄えました。市街地内には、県立高校（新井高校）や市立の小中学校をはじめ、多くの公共施設、医療機関、金融機関なども集積しています。さらに、当駅はスキーリゾート「ロッテアライリゾート」の最寄り駅でもあり、季節によっては送迎バスが運行されることがあります。

駅裏側（東側）には、宿泊施設のホテルルートイン新井や、商業施設、消防署などが立地しています。周辺の主要道路としては、新潟県道63号上越新井線（山麓線）や国道292号、新潟県道30号新井柿崎線などがあります。

バス路線

駅舎前が狭いため、一般路線バスは駅舎から少し西へ離れた（徒歩約2分）頸南バス新井バスターミナルを発着しています。主な路線として以下が利用可能です（2020年4月時点）。

頸城自動車：上越大通り線
くびき野バス：斐太線
頸南バス：新井・板倉線（板倉で各方面支線に接続）
乗合タクシー：関山ルート、岡沢ルート
妙高市市営バス：平丸線、上小沢線、原通線、矢代線、広島線、コミュニティバス（いきいき長沢）

エピソード

妙高市はかつて、当駅と妙高高原駅について、2018年度の着工を目指した駅舎改修計画を進めていました。この計画には跨線橋へのエレベーター設置などが含まれていましたが、既存跨線橋の流用困難などで改修費用が想定を上回り、市の負担能力を超えると判断され、2016年に計画が中止されたと報じられました。

また、駅名の「新井」を発音する際には、県内の他の地名と同様に、2文字目の「ら」にアクセントが置かれることが多いという特徴があります。

駅スタンプ

新井駅には、JR東日本時代とえちごトキめき鉄道移管後で異なるデザインの駅スタンプが設置されています。JR時代のスタンプには「雄大な自然と豊かな水が育む町」というテーマが、移管後のスタンプには「おたやで賑わう東本願寺別院」というテーマが描かれています。

隣の駅

えちごトキめき鉄道妙高はねうまラインにおける当駅の隣駅は以下の通りです。

特急「しらゆき」：発着駅
快速（土休日運転、臨時）：二本木駅 - 新井駅 - 上越妙高駅
* 普通（「おかえり上越」含む）：二本木駅 - 新井駅 - 北新井駅

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