新宿映画祭

新宿映画祭は、1988年から1995年までの8年間、東京都新宿区のテアトル新宿で毎年秋に開催されていた映画祭です。映画監督の今村昌平氏の発案によって設立され、「一般の人々にたくさんの映画を見てもらいたい」というコンセプトのもと、日本映画の新たな魅力を発見することをテーマにしていました。

概要

映画祭では、毎回一人の映画監督を選定し、その監督の作品群を特集上映するとともに、関係者や映画評論家を招いてトークショーなどのイベントを実施していました。これらの企画を通じて、日本映画の奥深さを再認識し、その魅力を広く伝えることを目指していました。映画祭の運営は、日本映画学校の関係者を中心に組織された「日本映画の発見実行委員会」が中心となって行っていました。

各回のテーマと上映作品

以下に、各回のテーマと上映作品の代表的なものを紹介します。

第1回 (1988年)
テーマ: 日本映画の発見 小林正樹の世界
上映作品:「人間の條件」「切腹」「怪談」など
第2回 (1989年)
テーマ: 日本映画の発見 新藤兼人の世界
上映作品:「愛妻物語」「原爆の子」「縮図」「どぶ」「狼」「第五福竜丸」「裸の島」「人間」「鬼婆」「本能」「裸の十九才」「ある映画監督の生涯・溝口健二の記録」「竹山ひとり旅」「北斎漫画」「落葉樹」「ブラックボード」「さくら隊散る」「偽れる盛装」「しとやかな獣」「事件」
第3回 (1990年)
テーマ: 日本映画の発見 今井正の世界
上映作品:「青い山脈」「また逢う日まで」「どっこい生きてる」「山びこ学校」「ひめゆりの塔」「にごりえ」「ここに泉あり」「真昼の暗黒」「米」「純愛物語」「夜の鼓」「キクとイサム」「喜劇 にっぽんのお婆あちゃん」「武士道残酷物語」「越後つついし親不知」「仇討」「海軍特別年少兵」「あにいもうと」「子育てごっこ」
第4回 (1991年)
テーマ: 日本映画の発見 吉村公三郎の世界
上映作品: (情報なし)
第5回 (1992年)
テーマ: 日本映画の発見 市川崑の世界
上映作品:「プーサン」「愛人」「こころ」「ビルマの竪琴」「処刑の部屋」「炎上」「鍵」「野火」「ぼんち」「おとうと」「破戒」「私は二歳」「雪之丞変化」「太平洋ひとりぼっち」「東京オリンピック」「股旅」「吾輩は猫である」「犬神家の一族」「細雪」「木枯し紋次郎」
第6回 (1993年)
テーマ: 日本映画の発見 黒澤明の世界
上映作品: (情報なし)
第7回 (1994年)
テーマ: 日本映画の発見 岡本喜八の世界
上映作品:「結婚のすべて」「独立愚連隊」「暗黒街の対決」「独立愚連隊西へ」「どぶ鼠作戦」「戦国野郎」「江分利満氏の優雅な生活」「ああ爆弾」「侍」「血と砂」「大菩薩峠」「殺人狂時代」「日本のいちばん長い日」「斬る」「肉弾」「吶喊」「ダイナマイトどんどん」「英霊たちの応援歌」「近頃なぜかチャールストン」「ジャズ大名」「大誘拐 RAINBOW KIDS」
第8回 (1995年)
テーマ: 日本映画の発見 今村昌平の世界
上映作品:「豚と軍艦」「にあんちゃん」「にっぽん昆虫記」「黒い雨」など

新宿映画祭は、短期間ではありましたが、貴重な日本映画に触れる機会を提供し、映画ファンに愛された映画祭でした。

関連項目

* KAWASAKIしんゆり映画祭

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