新竹機務段

新竹機務段について

新竹機務段は、台湾鉄路管理局機務処に所属する車両検修組織で、その主要拠点は桃園市楊梅区にある富岡車両基地です。主に縦貫線（北段）や内湾線、六家線を走行する旅客車両、そして北部の貨物車両の検修、洗浄業務を担っています。この組織は、台湾の鉄道輸送を支える上で重要な役割を果たしています。

組織

新竹機務段は、複数の分駐所や検車段を擁しています。2018年以降、新竹機務段の主要機能は富岡車両基地に移転し、台北機廠と共に同基地内に新竹機務段区として拠点を構えています。組織の構成は以下の通りです。

新竹機務段：2018年より富岡車両基地に拠点を置く。
南新竹機務分駐所：初代の新竹機務段であり、縦貫線開業時から2018年まで新竹駅構内に存在。富岡移転後に分駐所へ格下げ。
苗栗機務分駐所：苗栗鉄道文物展示館を管理。
新竹検車段：1942年2月に新竹機関庫内の部署として発足。その後、台北検車区新竹検車分区などを経て、1948年5月に新竹検車分段に改組。2004年7月、組織再編により新竹機務段に合併。

沿革

新竹駅には、かつて台湾総督府鉄道時代から車両整備の拠点となる機関庫がありました。1943年12月には、『新竹機関庫』から『新竹機関区』へと改編され、その後、台湾省鉄路管理委員会機務処、台北弁事処を経て、現在の台湾鉄路管理局機務処新竹機務段に至ります。構内にはかつて扇形機関庫がありましたが、通勤電車の導入に伴い撤去され、1990年には電車検修線へと転換されました。

2017年11月には、構内で泥酔した運転士による脱線事故が発生しています。

富岡移転

新竹機務段の富岡車両基地への移転は、2018年3月より開始されました。同年4月9日に工具や設備の移動が行われ、4月11日から27日にかけては、EMU400型電車を使用した専用列車が運行されました。同年4月20日に正式に富岡へ移転し、新竹駅構内の旧機務段は南新竹機務分駐所となりました。

配属車両

新竹機務段には、以下の区間車用電車が配属されています。

EMU400型電車：12編成48両（EMU401～EMU412）。定期列車からは退役し、現在は富岡基地に留置されています。
EMU600型電車：5編成20両（EMU601～EMU605）。
EMU700型電車：40ユニット20編成160両（EMU701+EMU702～EMU739+EMU740）。
EMU800型電車：14ユニット7編成56両（EMU881+882～891+892）。
EMU900形電車：25編成250両（EMU928～EMU952）。

これらの電車は、主に以下の路線で運用されています。

宜蘭線（八堵～福隆）
縦貫線北段
山線

また、機関車の緊急修理車両として以下の3台も配属されています。

30ES32402
35ECK21005
35ECK21006

関連事項

新竹機務段は、台湾の鉄道網を支える重要な拠点の一つであり、他の機務段との連携も欠かせません。以下に、関連する機務段を挙げます。

七堵機務段（基隆市七堵区）：七堵調車場を拠点とし、自強号電車や電気機関車の検修を担当。
台北機務段（新北市樹林区）：樹林調車場を拠点とし、北部の通勤電車や太魯閣号・普悠瑪号の検修を担当。
彰化機務段（彰化県彰化市）：彰化扇形庫で知られ、蒸気機関車や一部の通勤電車を管理。
嘉義機務段（嘉義市西区）：南部の通勤電車を担当。
高雄機務段
* 花蓮機務段

これらの機務段と共に、台湾の鉄道輸送の安全と効率を支えています。

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