方格設計

方格設計（Grid Plan）

方格設計は、道路が直交する形で配置される都市計画の方法です。この設計様式は、主に土地管理を目的としており、特に古代都市において多く見られます。

古代の方格設計

方格設計の起源は古代にさかのぼります。インダス文明のモヘンジョダロやハラッパー（紀元前26世紀）には、南北・東西に直線的に配置された街路に基づいた構造が確認されており、街区は小路によって細分化されています。同様に、ガンダーラ地域の都市も方格状の地割が施されています。例えば、パキスタンの新首都イスラマバードは、シルカップの近くに方格設計で建設された計画[[都市]]です。

中国における方格設計の伝統は紀元前15世紀から始まり、春秋時代の考工記には都市の設計に関する具体的な指針が示されています。都市は正方形に計画し、その内部に城門や大通りを配置することが提案されています。

1千年紀のアジア

また、7世紀以降の中央集権化が進んだ日本と朝鮮半島では、中国の方格設計が取り入れられ、統一新羅の慶州市や、日本の藤原京、平城京、平安京がその例と言えます。特に京都は「碁盤の目の街」として知られ、方格設計の象徴的な都市です。一方で、江戸（東京）では防衛上の理由から不規則な街路網が形成されたため、方格設計は一般的ではありませんでした。しかし、札幌など北海道の都市はアメリカの影響を受け、方格設計が採用されています。

ヨーロッパとその植民地

ヨーロッパでは12世紀以降に新たに成立した都市の多くが方格設計を採用しています。特に南フランスにおけるバスティッドの都市群がその代表であり、ローマ時代の前哨基地の影響を受けて新都市が構築されました。

さらに、15世紀のスペインにおいても方格設計が採用され、植民地における地域社会の構築に寄与しました。特にインディアス法では、中央広場から伸びる大通りの設置が規定され、多くの新たな都市計画に影響を与えました。

初期のアメリカ

アメリカの都市が方格設計を採用し始めたのは、ニューヘイブン植民地（1638年）やフィラデルフィア（1682年）の例に見られます。これらの都市は測量士によって設計され、当時の都市問題への対応策とされました。特にニューヨーク市の1811年委員会計画は、マンハッタンの広範囲に方格設計を取り入れたことで著名です。

まとめ

方格設計は古代から現代にかけて、さまざまな地域で採用されてきた都市計画の方法です。その効果的な土地管理に寄与してきたことは、歴史的にも重要な意義を持っています。

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