春倉

春倉（はるくら）

「春倉」は、主にJWP女子プロレスを舞台に活動した女子プロレスラー、春山香代子と倉垣翼によって結成されたタッグチームである。カタカナ表記の「ハルクラ」が用いられる場合もある。二人は互いのキャリアにおいて重要な場面で巡り合い、タッグとしての歴史を共に歩むこととなる。

結成とその歩み

倉垣翼は1995年にJWPの看板選手たちと同期でデビューするも、数ヶ月で一度マットを離れた後、1998年10月21日に再デビューを果たした。その復帰戦の相手を務めたのが、同年デビューの新人であった春山香代子であった。この邂逅が、後に強固なタッグとなる二人の関係性の始まりである。

タッグとしての初陣は、1998年12月27日に開催されたキューティー鈴木引退興行の第一試合であった。渡辺えりか、佐井富子組と対戦し、春山が佐井からピンフォールを奪い勝利を収めたことで、「春倉」タッグは本格的に活動を開始する。

1999年には、同年デビューした米山香織が合流し、トリオユニット「ブルキャッツ」としても活動の幅を広げた。しかし、2002年11月に倉垣がJWPを退団しフリーランスとなったため、タッグとしての活動はいったん休止。春山は米山と共にブルキャッツを継続した。

その後、倉垣の復帰に伴い「春倉」タッグも復活を遂げる。二人は再びタッグ戦線で存在感を示し始めた。

タイトル獲得とライバル関係

復活した春倉は、タッグタイトル戦線において目覚ましい活躍を見せる。2007年8月12日、板橋グリーンホールにおいて、当時のJWP認定タッグ王座保持チームである植松☆輝（輝優優&植松寿絵）から勝利を収め、自身初のタッグ王座戴冠を果たした。さらに、2008年8月3日には、新たに設立された初代デイリースポーツ認定女子タッグ王座も獲得し、タッグ二冠を達成する。

しかし、同年10月12日には再び植松☆輝に二冠王座を奪回される。このタイトルを巡る攻防を通じて、春倉と植松☆輝は互いに譲らないライバル関係を築き上げていった。

2010年12月23日には、阿部幸江・アジャ・コング組からタッグ二冠（JWP認定タッグ王座、デイリースポーツ認定女子タッグ王座）を奪取し、再び頂点に返り咲く。翌年の「JWPタッグリーグ・ザ・ベスト」にもエントリーし、記念すべきJWP版の第1回大会で優勝を飾った。2012年のタッグリーグにも連続出場したが、予選リーグで同組となった植松☆輝に敗れ、惜しくも決勝進出はならなかった。

再度の解消と再結成、そして終焉

タッグリーグ敗退後、ライバルであった植松☆輝が植松寿絵の引退により解消された影響もあり、春倉も再びタッグ活動を休止する。だが、植松に続いて引退を表明した輝優優から、「春倉には若手選手の前に立ちはだかる高い壁となってほしい」という言葉を託され、二人は再びタッグを結成することを決意する。再結成後、2012年12月24日の後楽園ホール大会では、強豪チームである里村明衣子・ヘイリー・ヘイトレッド組との一戦に臨んだ。

年が明けた2013年1月6日には、初戴冠と同じ板橋グリーンホールにて、3度目となるJWP認定タッグ王座の獲得に成功した。

しかし、同年には倉垣がJWPからの退団を表明。10月14日には、所属選手としての最後の試合として、長年のパートナーであった春山香代子とのシングルマッチが実現した。

倉垣の退団後も、特別な機会には「春倉」が復活する。2014年7月20日、倉垣は退団後初めてJWPに参戦し、阿部幸江の引退ロードにおいて、阿部とKAZUKIの「ザ☆WANTED!?」とタッグマッチで対戦した。

そして2015年、春山香代子がプロレスからの引退を表明したことに伴い、「春倉」は最後の再結成を果たす。春山の引退と共に、長きにわたる春倉の歴史にも幕が下ろされた。

主な獲得タイトル

JWP認定タッグ王座
デイリースポーツ認定女子タッグ王座
* JWPタッグリーグ・ザ・ベスト優勝

春倉は、結成、解消、そして再結成を繰り返しながらも、その都度強力なタッグとして女子プロレス界、特にJWPのタッグ戦線を牽引した。二人の信頼関係とチームワークは、数々の名勝負とタイトル獲得という形で結実し、多くのファンの記憶に残るタッグチームとして語り継がれている。

もう一度検索