木月 (川崎市)

川崎市中原区木月について

木月（きづき）は、神奈川県川崎市中原区に位置する町名です。現行行政地名では木月1丁目から4丁目までが存在し、住居表示が実施されています。面積は92.7ヘクタールで、中原区の南東部に位置し、矢上川と渋川に接しています。

地理

木月は、東急東横線・目黒線の元住吉駅を中心に、東西に商店街が伸びる商業地として発展しています。また、綱島街道と尻手黒川道路という幹線道路が交差する交通の要所でもあります。地域の境界としては、北は木月祗園町・木月伊勢町、東は渋川を挟んで木月住吉町・西加瀬・幸区矢上、南は矢上川を境に横浜市港北区日吉、西は井田・井田中ノ町と接しています。

地価

住宅地の地価は、2024年1月1日の公示地価によると、木月1丁目9番15号で54万3000円/m²、木月4丁目21番15号で44万9000円/m²となっています。

歴史

木月の地には、かつて鎌倉公方の足利基氏に納められた租税の帳簿があったと伝えられています。1509年には連歌師の宗長が当地に宿泊した記録が残っています。江戸時代には旗本領として、森川氏、三宅氏、内藤2氏の四給となっており、「木月千石」と称される水田地帯でした。しかし、旱魃や洪水、森川氏の横暴に苦しめられた歴史も持っています。一方で、農閑期には紙漉きや縄作り、素麺作りが行われ、「木月素麺」として江戸に出荷されていました。

明治時代には周辺の村と合併して住吉村となり、村役場が置かれました。明治末期には梨や桃の栽培も行われましたが、大正末期に東京横浜電鉄（現・東急東横線）が開通し、元住吉駅が設置されたことで、駅周辺に商店街が形成され、宅地化も進みました。1940年には耕地整理の結果、木月伊勢町、木月大町、木月祇園町が分立し、2年後には木月住吉町も分立しました。残りの木月は11の字を含む大きな区域で、1丁目～4丁目の通称で呼ばれていましたが、平成に入ってから住居表示が実施され、正式に丁目が設定されました。

地名の由来

「木月」という地名の由来ははっきりしていませんが、古代の屯倉に関連する説や、矢上川沿いの低湿地を突き固め「築いた」ことに由来するという説があります。いずれにしても、「木月」という表記は後に当てられたものです。

沿革

1509年：連歌師の宗長が当地に宿泊
1534年：妙海寺の開基
1590年：徳川家康が江戸入府。当地も徳川領となる
1714年：矢上堰が完成
1718年以降：川崎宿の助郷を務める
1732年：矢上堰の改修をめぐり、上流と下流で争い
1868年：神奈川県所属となる
1874年：大区小区制により、第4大区大8小区に属する
1889年：町村制施行により、木月村など6村が合併して住吉村が発足
1909年：村内の11社が合祀され、村名から「住吉神社」となる
1925年：住吉村と中原村が合併して中原町を新設
1926年：東京横浜電鉄が開通、元住吉駅が設置される
1933年：中原町が川崎市に編入され、川崎市木月となる
1940年：耕地整理により、木月伊勢町・木月大町・木月祇園町が分立
1942年：木月住吉町が分立
1943年：綱島街道が開通
1945年：空襲の被害を受ける
1972年：川崎市が政令指定都市に移行、川崎市中原区木月となる。矢上の一部を編入
2004年：一部で住居表示が施行され、木月一丁目となる
2006年：一部で住居表示が施行され、木月二丁目・三丁目となる。尻手黒川道路との逆立体化工事が行われ、東横線が高架化される。木月の未実施地域全域で住居表示が実施され、木月四丁目となる
2008年：東急目黒線が延伸され、元住吉駅にも発着するようになる
2009年：西加瀬、苅宿、木月住吉町の住居表示の実施に伴い、木月4丁目と西加瀬の境界を変更

町名の変遷

住居表示施行前の字は以下の通りです。

世帯数と人口

2024年9月30日現在、世帯数と人口は以下の通りです。

人口の変遷

国勢調査による人口の推移は以下の通りです。

世帯数の変遷

国勢調査による世帯数の推移は以下の通りです。

学区

市立小・中学校に通う場合の学区は以下の通りです。

事業所

2021年の経済センサス調査による事業所数と従業員数は以下の通りです。

事業者数の変遷

経済センサスによる事業所数の推移は以下の通りです。

従業員数の変遷

経済センサスによる従業員数の推移は以下の通りです。

交通

鉄道

東海道新幹線 - 当地を通過するが、駅はない
東急東横線・目黒線 - 元住吉駅や元住吉検車区が所在

道路

綱島街道
尻手黒川道路

路線バス

川崎市交通局と川崎鶴見臨港バスが運行。
川崎市バス - 川63・川66・杉01・杉02・杉03・杉04
川崎鶴見臨港バス - 川53・川54・川60・川61・元02・原62

施設

妙海寺
住吉神社
ブレーメン通り商店街・オズ通り商店街
神奈川県警察学校木月分校
神奈川県警察第二機動隊
もとまちユニオン日吉店

金融機関

三菱UFJ銀行元住吉支店
横浜銀行元住吉支店
城南信用金庫元住吉支店
川崎信用金庫住吉支店
川崎ブレーメン通郵便局

教育施設

川崎市立木月小学校

その他

日本郵便
郵便番号：211-0025（集配局：中原郵便局）

警察

町内の警察の管轄区域は以下の通りです。

脚注

参考文献

日本地名研究所編「川崎地名辞典（上）」川崎市、2004年。

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