本牧埠頭駅

本牧埠頭



本牧埠頭駅は、神奈川県横浜市中区の本牧ふ頭に位置する神奈川臨海鉄道本牧線の貨物駅であり、同線の終点です。この駅は、コンテナ貨物を専門に扱っており、特に紙製品の輸送において重要な役割を担っています。

歴史



本牧埠頭駅は1969年10月1日に開業しました。2008年4月には、海上コンテナ輸送の実証実験が開始され、2年間の予定で実施されましたが、後に終了しました。

駅構造



駅は地上駅で、2面のコンテナホームと3本の荷役線を有しています。コンテナホームは相対式に配置されており、西側のホームには2本の荷役線(1・2番線)、東側のホームには1本の荷役線(3番線)が接続しています。東側のホームは、海上コンテナ輸送の実証実験のために新設されました。西側のホームには、神奈川臨海鉄道のグループ会社である神奈川臨海通運が所有する荷役・貸し倉庫が併設されています。

横浜本牧駅方面から伸びる線路は、駅前の通りを横断して当駅へと続いています。列車が通過する際には、踏切信号機が作動し、安全確認後、機関車が警笛を鳴らして通過します。

取扱う貨物の種類



本牧埠頭駅は、コンテナ貨物のみを取り扱う駅です。隣の横浜本牧駅が大型コンテナや20フィート・40フィート海上コンテナを扱えるのに対し、当駅は従来12フィートコンテナのみを取り扱っていました。しかし、2008年4月から開始された実証実験のため、20フィート・40フィート海上コンテナの取り扱いも開始されました。しかし、仙台臨海鉄道仙台港駅とを結ぶ海上コンテナ専用列車が2010年3月のダイヤ改正で廃止されたため、この輸送実験は実用化に至らず終了しました。

主な取扱品目は、石巻港駅発送の日本製紙石巻工場製の印刷用紙や、新潟貨物ターミナル駅発送の北越コーポレーション新潟工場製の高級洋紙です。北越製紙の高級洋紙は、以前は専用貨物列車で輸送されていましたが、輸送の効率化のため、2007年3月18日のダイヤ改正以降、高速貨物列車で当駅に到着するようになりました。また、2006年8月末まで二本木駅から日本曹達の家畜飼料添加物「DL-メチオニン」が当駅まで輸送されていました。

駅には、神奈川臨海通運が所有する貸し倉庫が併設されており、到着した貨物の保管や管理を目的として、荷主や通運会社に貸し出されています。速達輸送を担う横浜本牧駅に対し、当駅は大量貨物の計画輸送や保管業務に強みがあります。これらの施設を利用して、当駅で扱う輸出用紙製品の取り扱いを日本紙運輸倉庫株式会社の関連会社である青葉興業株式会社が請け負っています。青葉興業は、貸し倉庫を借りて、到着した列車からのコンテナ取り下ろし、輸出用紙の保管、通関業務、20フィート海上コンテナへの詰め替え、埠頭への搬入などを一括して行っています。かつて日本曹達のDL-メチオニンを輸送していた際も、当駅の倉庫で同様の業務が行われていました。

従来、海上輸送に対応していない12フィートコンテナが主に扱われていたため、当駅には海上輸送対応の海上コンテナへの詰め替え設備が倉庫の裏に設置されています。

海上コンテナの鉄道輸送実証実験



横浜市港湾局、国土交通省関東地方整備局国土交通省関東運輸局、横浜港メガターミナル、神奈川臨海鉄道で構成される「京浜港物流高度化推進協議会」は、以前から鉄道駅と港を効率的に利用した新しい物流サービスの実現を目指していました。

この取り組みの一環として、2008年4月に横浜港本牧ふ頭BC突堤コンテナターミナルに隣接する当駅のC突堤側に、海上コンテナ専用のコンテナホームが新設されました。これにより、従来仙台港駅 - 横浜本牧駅間に設定されていた20両編成の海上コンテナ専用列車のうち、コンテナ車5両分の発着駅が当駅に変更されました。当時、列車は横浜本牧駅 - 本牧埠頭駅間に1日1往復設定され、当駅には火曜日から土曜日の朝に仙台港駅からの到着がありました。逆に、仙台港駅への発送は、月曜日から金曜日の正午頃に設定されていました。

この実証実験のため、当駅には新たに20フィート・40フィート海上コンテナに対応したリーチスタッカーが1台配備されました。これは、以前横浜本牧駅でトップリフターの予備機として使用されていたものでした。

この実証実験は、2010年3月までの2年間行われる予定でしたが、前述の通り海上コンテナ専用列車自体が廃止されたため、実用化には至らず終了しました。

駅周辺



本牧埠頭駅は、横浜港・本牧ふ頭のC突堤入口左手に位置しており、周辺には倉庫や海運会社の事務所が立ち並んでいます。駅の裏手からはC突堤のコンテナターミナルを一望でき、山積みにされた大量の海上コンテナは圧巻です。駅前の通りには、海上コンテナを積載したトラックが多数往来しています。

周辺施設



本牧ポートハイツ
本牧海づり施設
横浜港シンボルタワー
首都高速湾岸線 本牧ふ頭出入口

隣の駅



神奈川臨海鉄道
本牧線: 横浜本牧駅 - 本牧埠頭

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