李光弼

李光弼（り こうひつ）

李光弼は、唐代の武将で、契丹族の出身です。708年に生まれ、764年に56歳で亡くなりました。父は契丹出身の李楷洛で、唐の玄宗皇帝に仕え、営州都督として忠烈と諡されています。母も契丹の出身で、李楷固の娘でした。李光弼は幼い頃から厳格で、騎射に優れていたと伝えられています。

安史の乱での活躍

755年、安禄山が反乱を起こすと、李光弼は河東節度使に任命され、郭子儀と共に反乱軍と戦いました。彼は常山を陥落させ、史思明の反撃を退け、安禄山が立て籠もる洛陽と范陽との連絡を遮断しました。

潼関の戦いでは、宰相・楊国忠の失策により、唐軍は大敗を喫し、玄宗は長安を捨てて逃れました。その後、粛宗が霊武で即位すると、李光弼は太原に派遣され、史思明の猛攻を退け、その功績により魏公（後に趙公）に封じられました。758年には司空に任じられます。

唐軍は、回鶻の協力を得て洛陽を奪回し、安慶緒は鄴城に逃れました。李光弼は、史思明が再び反乱を起こすことを恐れ、粛宗に暗殺を勧めますが、史思明はこれに気づき、再び反乱を起こしました。李光弼は、その後も、粛宗を支え、各地で転戦しました。多くの将軍が敗走する中で、李光弼は常に軍をまとめ、退却することができました。

史思明の即位とその後

史思明が皇帝を名乗り、洛陽に侵攻すると、李光弼は河陽に退避し、史思明軍の進撃を食い止めました。その後、史思明が息子の史朝義に殺されると、李光弼は一時的に位を下げられましたが、すぐに復帰し、臨淮に駐屯しました。762年、代宗が即位すると、唐軍は再び洛陽を奪回。763年に史朝義が自殺し、安史の乱は終結しました。

晩年

安史の乱終結後、李光弼は宦官の権力拡大を恐れ、長安に帰還しませんでした。763年には、吐蕃が長安を攻撃した際も、救援に向かわなかったとされています。代宗が懐柔策を講じても、李光弼は応じませんでした。764年、李光弼は56歳で病死し、武穆と諡されました。李光弼は、安史の乱において多大な貢献をした武将であり、その軍事的な才能は高く評価されています。しかし、晩年は、その言動から人望を失ったとも言われています。

李光弼の評価

李光弼は、安史の乱の鎮圧に大きく貢献し、郭子儀と並び称される名将です。彼の軍事的才能は高く評価されており、特に防衛戦においてその手腕を発揮しました。また、彼は厳格な軍律を敷き、兵士たちからは恐れられていましたが、その規律正しい軍隊は、数々の戦いで勝利を収めました。しかし、晩年は、その言動から人望を失ったとも言われています。李光弼の生涯は、唐朝の動乱期における一人の武将の栄光と挫折を描いていると言えるでしょう。

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