李神儁

李神儁の生涯とその業績

李神儁（り しんしゅん、477年 - 540年）は、北魏時代の重要な官僚であり軍人です。本貫は隴西郡狄道県で、小名は提と呼ばれていました。彼の出生経歴は李佐の子であり、若い頃からその才能で知られていました。彼は太常の劉芳からもその学識を称賛され、官職の道を歩み始めました。

李神儁は、奉朝請としてキャリアをスタートさせ、その後、司徒祭酒や従事中郎といった役職に任命されました。これを経て、彼は驍騎将軍や中書侍郎、さらには太常少卿にも就任しました。そして、前将軍として荊州刺史に赴任し、軍事的な指導力を発揮しました。

荊州を攻撃した南朝梁の将軍・曹義宗に対し、李神儁は城内の兵士や民衆を鼓舞し、籠城戦の指揮を執りました。彼の指導の下、城は見事に防衛され、曹義宗は退却を余儀なくされました。城外に散乱していた遺体をしっかりと葬ったことにも彼の人情味が表れています。

その後、李神儁は洛陽に召還され、大司農卿に就任しました。528年には鎮軍将軍として行相州事に任じられましたが、葛栄の攻撃に際して落馬し、足を負傷することになります。このためしばらく汲郡にとどまりました。その後、再び洛陽へと戻ることになります。

爾朱栄が孝荘帝を擁立した際には、李神儁は外戚として散騎常侍および殿中尚書に任命されることに成功し、荊州での功績を評価されて千乗県開国侯にも封じられました。さらなる昇進として、中書監や吏部尚書にもなる一方で、彼が人を採用する際に情実を重視しすぎたために公正さに欠けるという批判も受け、声望が低下してしまうこともありました。

また、李神儁は鉅鹿の李炎からその過失を指摘され、爾朱栄が任命した曲陽県令を彼が採用しなかったことからも問題視され、爾朱栄の怒りを買うことになりました。このため彼は職を辞したいと願い出て、衛将軍や右光禄大夫の位を受け取りました。

530年には、爾朱兆が洛陽に進軍し、孝荘帝が捕らえられた際、李神儁は民間に逃げ込んで姿を隠すことになります。532年9月には再び散騎常侍および驃騎大将軍としての地位を得ることができました。その後も行并州事に任じられ、驃騎大将軍や肆州刺史としての任務を果たしました。

最終的に540年に亡くなり、享年64歳でした。彼の死後、使持節や侍中、都督雍秦涇三州諸軍事、驃騎大将軍、尚書左僕射、司徒公、雍州刺史といった多くの位が追贈され、諡号は文貞とされました。

家族

妻子については、彼には妻の劉幼妃や元阿妙、元季葱といった女性がいたことが知られていますが、早くに前妻を失ってしまいました。後妻を迎えようと争った事が噂になりましたが、最終的に彼には男子がなく、従弟の李延度の子孫である李容児が後を継ぐこととなりました。

このように、李神儁は北魏時代のいくつかの重要な役職を歴任し、数々の戦功を持ちつつも、様々な問題にも直面した複雑な生涯を送りました。彼の歴史的な役割や影響は、当時の政治と軍事において非常に重要だったと考えられています。

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