李蔡

李蔡（り さい、生年不詳 - 紀元前118年）は、前漢時代の政治家であり、丞相を務めた人物です。彼の出自は涼州隴西郡成紀県にあり、秦の名将である李信の子孫であり、漢の将軍として知られる李広とは従兄弟の関係にありました。

文帝の時代に、李蔡は郎という官職に就き、李広と共に朝廷に仕えました。景帝の時代になると、彼はその功績を重ね、二千石の官位にまで昇進しました。武帝の元朔5年（紀元前124年）には、代の相から軽車将軍に任じられ、衛青の指揮下に入り、匈奴討伐に参加しました。この戦いにおいて、匈奴の王を捕虜にするという大きな功績を挙げ、その結果、列侯（楽安侯）に封じられました。

元狩元年（紀元前122年）には、御史大夫という要職に任命され、その手腕を発揮しました。翌年の元狩2年（紀元前121年）には、丞相であった公孫弘が亡くなった後、その後任として丞相に任命されました。しかし、元狩5年（紀元前118年）に、祭祀に使用されるべき土地を私的に売却したという不正行為が発覚し、罪に問われることとなりました。彼は投獄されることを恐れ、自害という道を選びました。

李蔡は、際立った才能や人柄を持っていたとは言えず、従兄である李広と比べると、その名声は著しく低いものでした。しかし、恩賞や出世においては、李広を追い越すことが多く、その点では特筆されるべき人物と言えるでしょう。

参考文献

• - 司馬遷著『史記』巻109李将軍列伝
• - 班固著『漢書』巻16高恵高后文功臣表、巻19下百官公卿表下、巻54李広伝、巻55衛青伝

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