李陽 (東晋)

李陽（り よう）

李陽（生没年不詳）は、東晋初期に活躍した軍人。出身は不明。

生涯

東晋に仕え、竟陵郡太守に任じられていた。

咸和3年（328年）9月、蘇峻の乱が発生。征西大将軍陶侃が盟主となり討伐軍が結成されると、李陽は督護としてこれに参加した。当初、討伐軍は苦戦し、平南将軍温嶠の兵糧不足から陶侃に援助を求めたが、陶侃はこれを拒否し撤退を検討する。この状況に対し、廬江郡太守毛宝の仲介により、李陽は陶侃を説得。「今は討伐軍の結束が最も重要であり、兵糧の有無にかかわらず、共に困難を乗り越えるべきだ」と訴えた。この進言により、陶侃は米5万石を温嶠に供出し、討伐軍は瓦解の危機を脱した。その後、李陽は石頭城の南で蘇峻軍を迎え撃ち、蘇峻を討ち取るという大功を挙げ、蘇峻軍を崩壊させた。

咸和4年（329年）2月、討伐軍は石頭城へ総攻撃を開始。李陽は蘇峻の弟である蘇逸と査浦で戦うも敗北を喫する。しかし、建威長史滕含が精鋭を率いて蘇逸を破った。

咸和7年（332年）7月には、陶侃の兄の子である南陽郡太守陶臻と共に新野を攻略。さらに、南中郎将桓宣・平西参軍陶斌も樊城を攻略し、後趙の荊州刺史郭敬を撤退に追い込んだ。桓宣と共に襄陽を奪回。

咸康5年（339年）9月、後趙の大都督夔安が石城を包囲すると、李陽は果敢に応戦し、5千余の敵兵を斬首する大戦果を挙げた。夔安は敗北し撤退。

これ以降、李陽の事績は史書に記録されていない。

参考文献

『晋書』巻7、巻66、巻81
『資治通鑑』巻94 - 巻96
* 『十六国春秋』巻13、巻16

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