桜島白浜町

桜島白浜町（さくらじましらはまちょう）

桜島白浜町は、鹿児島県鹿児島市の北部に位置する町です。かつては大隅国大隅郡に属し、桜島の北端から東端にかけて広がっています。町の東側には高免町が、西側にはアミダ川を挟んで桜島二俣町が隣接しており、北側は鹿児島湾に面しています。集落は、東白浜（古良向）と西白浜（鍛冶屋向）の二つに分かれています。

地理

桜島白浜町は、桜島の北斜面に位置しており、御岳の北側に位置することから、他の地域よりも果物の出荷が遅れる傾向があります。主にビワなどの果樹栽培が盛んであり、特産品として知られています。また、桜島二俣町や桜島松浦町とともに、桜島大根の栽培も行われています。海岸沿いには、アコウやタブノキの樹林が形成されており、豊かな自然が残されています。

町内を東西に鹿児島県道26号桜島港黒神線が通っており、交通の要所となっています。

自然公園・自然保護地区

桜島白浜町の一部は、霧島錦江湾国立公園の区域に指定されており、特別保護地区や第1種から第3種までの特別地域に分かれています。これらの地域では、自然環境の保護が厳格に行われています。

河川

町内にはアミダ川が流れており、地域の自然を豊かにしています。

歴史

中世

安土桃山時代には、上井覚兼の領地であったとされています。この頃、白浜村と二俣村の間で境界を巡る論争が起こり、向島郷の地頭による裁定によって境界が確定しましたが、二俣の住民はこれを受け入れず、紛争が続いたとされています。

近世

江戸時代には、大隅国大隅郡桜島郷に属していました。村高は時代によって変動がありましたが、おおむね100石強であったとされています。安永8年（1779年）の大噴火では、白浜村は噴火口に近かったため、住民は鹿児島や重富へ避難しました。翌年には津波が発生し、天明元年には噴火による津波で6名の犠牲者を出しています。

近代

1889年（明治22年）の町村制施行により、西桜島村の一部となり、大字白浜となりました。その後、1897年（明治30年）には鹿児島郡に統合されました。1898年（明治31年）には大火が発生し、住民が留守中に火災が拡大したという記録が残っています。1939年（昭和14年）には袴腰から白浜までの道路が開通しました。1955年（昭和30年）には白浜出張診療所が設置されましたが、1962年（昭和37年）に廃止されました。1965年（昭和40年）には白浜トンネルが開通し、交通の便が大きく向上しました。1973年（昭和48年）には西桜島村が町制を施行し、桜島町となりました。1993年（平成5年）には「さくらじま白浜温泉センター」が開業しました。

現代

2004年（平成16年）に桜島町が鹿児島市に編入され、それに伴い、大字白浜は廃止され、新たに鹿児島市の町「桜島白浜町」が設置されました。

人口

国勢調査によると、1995年以降の人口は減少傾向にあります。2020年4月1日現在の人口は398人、世帯数は246世帯です。

施設

公共

桜峰校区公民館
さくらじま白浜温泉センター

寺社

豊受大山津見神社
豊受売命と大山津見神を祀る神社です。

教育

町内の小中学校の学区は、以下の通りです。

交通

道路

主要地方道：鹿児島県道26号桜島港黒神線

バス

鹿児島市交通局
60番 桜島線：温泉センター、西白浜、東白浜、奥平を経由
70番 桜島代替線：東白浜、古河良港、奥平を経由

港湾

桜島港
白浜地区（避難港（13番））
古河良地区

脚注

参考文献

「角川日本地名大辞典」編纂委員会「角川日本地名大辞典 ４６ 鹿児島県」『角川日本地名大辞典』第46巻、角川書店、日本、1983年3月1日。
桜島町郷土誌編さん委員会『桜島町郷土誌』桜島町、1988年3月25日。
芳即正、五味克夫『日本歴史地名大系47巻 鹿児島県の地名』平凡社、1998年。
南日本新聞『鹿児島市史Ⅴ』 5巻、鹿児島市、2015年3月27日。

関連項目

* 白浜 (曖昧さ回避)

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