楊亮

楊亮（よう りょう）

楊亮（生没年不詳）は、東晋時代の軍人であり、その生涯は激動の時代を駆け抜けました。彼の出自は弘農郡華陰県にあり、高祖父には名高い楊修がいます。

生涯

楊亮は若い頃、後趙に仕官していました。後趙滅亡後は、独立勢力として台頭した姚襄に仕え、その下で賓客としての礼遇を受けました。しかし、永和12年（356年）8月、楊亮は自ら東晋の征西大将軍であった桓温のもとへ赴き、帰順を申し出ます。この決断は、彼の人生における大きな転換点となりました。

太和5年（370年）8月、隴西郡で李高という人物が、成漢の皇帝李雄の子であると偽って涪城を攻略する事件が発生します。当時、梁州刺史であった楊亮は、この反乱によって城を追われることとなりました。しかし、彼はすぐに再起を図ります。

太和6年（371年）4月、前秦軍が侵攻してくると、前仇池の君主である楊纂は5万の兵を率いてこれを迎え撃ちました。楊亮は督護郭宝と卜靖に1千余騎を与え、楊纂の援護に向かわせます。この行動は、彼の忠義心を示すものでした。

寧康元年（373年）8月、楊亮は子の楊広を仇池への侵攻に向かわせます。しかし、楊広は前秦の梁州刺史である楊安に敗北し、沮水周辺の諸城も次々と陥落してしまいます。この敗北を受け、楊亮は守りを固め、防戦に徹することを選択します。

9月には、前秦軍が梁州・益州への大規模な侵攻を開始しました。楊亮は巴獠から1万余の兵を率いて迎撃しますが、青谷での戦いで敗北し、西城に退却して守りを固めます。彼は、困難な状況下でも諦めずに戦い続けました。

太元2年（377年）10月、楊亮は諮議参軍に任じられ、江夏の守備に就きます。そして、太元8年（383年）5月、東晋軍が前秦に対して多方面での攻勢を仕掛けると、輔国将軍に任じられていた楊亮は益州に侵攻し、五城を攻略して将軍魏光を捕らえ、涪城へと進軍しました。しかし、6月には前秦の後将軍である張蚝と歩兵校尉である姚萇が涪城の救援に向かい、翌月、援軍の動きを知った楊亮は退却を決断します。

太元9年（384年）5月、梁州刺史に任じられた楊亮は、5万の兵を率いて再び益州に侵攻しました。彼は巴西郡太守の費統を前鋒として水陸3万の兵を与え、自身は巴郡に駐屯しました。しかし、太元11年（386年）6月、西戎校尉・雍州刺史に任じられ、山陵に鎮することとなり、これ以降の事績は記録されていません。

人物・逸話

楊亮は、貞幹な人物であると評されていました。姚襄に仕えていた頃には、賓客として手厚い待遇を受けていました。桓温に降伏した際、姚襄の人物像について問われた楊亮は、「姚襄の器量は神のようであり、孫策の輩である。その雄武はこれに勝るだろう」と評価しました。桓温は楊亮の言葉を深く受け止めたと伝えられています。

家族

楊亮には、以下の息子たちがいました。

楊広
楊佺期
楊思平

参考文献

『晋書』巻9、巻74、巻84、巻113、巻114、巻116
『資治通鑑』巻100、巻102 - 巻106
『十六国春秋』巻36 - 巻38、巻41、巻42

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