横浜ハンマーヘッド

横浜ハンマーヘッド：歴史と未来が交差する複合施設

横浜ハンマーヘッドは、神奈川県横浜市中区新港に位置する複合施設です。客船ターミナルを中心に、商業施設、ホテルが一体となり、2019年10月31日に開業しました。施設名は、この地に残る歴史的産業遺産「ハンマーヘッドクレーン」に由来します。

歴史

横浜港に寄港する大型客船の受け入れ能力を向上させるため、新港埠頭の再開発プロジェクトが始まりました。既存の大さん橋だけでは対応が難しくなったため、9号岸壁の耐震化と延伸・増深整備が行われ、新たな客船ターミナルが建設されることになりました。このプロジェクトは、官民連携による事業提案方式で進められました。

岸壁は拡張され、11万6千総トン級の船舶まで対応可能になり、横浜港に寄港する船舶の約8割を受け入れられるようになりました。横浜市は2014年7月に基本設計を委託し、2016年度から既存施設の撤去工事に着手しました。

客船施設については、2017年10月に「みなとみらい21 新港地区客船ターミナル（仮称）整備」の事業者として、「Yokohama Pier9（仮称）」が選出されました。このグループは地元企業など8社で構成されており、新港ふ頭客船ターミナル株式会社を設立し、CIQ施設、商業・サービス施設、ホテル、駐車場などを整備する「ヨコハマ・ハンマーヘッド・プロジェクト」が2018年6月に着工しました。

横浜市は土地を事業者に貸し付け、CIQ施設部分のみ市が事業者の床を賃借し管理・運営する形式で事業が進められました。2019年6月には、複合施設の総称が「横浜ハンマーヘッド」に決定しました。

施設構成

「横浜ハンマーヘッド」は、街と陸・海・空をつなぐ海の駅「ヨコハマ ウミエキ」をコンセプトに、客船ターミナル、商業施設、ホテルで構成されています。

客船施設：新港ふ頭客船ターミナル
国際クルーズ客[[船]]にも対応するターミナルで、2019年11月4日に「ダイヤモンド・プリンセス」が初入港しました。
商業施設：ハンマーヘッド SHOP & RESTAURANT
「食」をテーマにした体験型施設で、25のテナントが入っています。港の倉庫をイメージしたデザインが特徴です。
ホテル：インターコンチネンタル横浜Pier 8（ピアエイト）
173室の客室を備え、レストランや鮨処があります。横浜市内2軒目のインターコンチネンタルホテルです。
広場：ハンマーヘッドパーク
ハンマーヘッドクレーン周辺に整備されたイベント広場で、施設2階部分と「ハンマーヘッドデッキ」で接続されています。2020年8月に開園しました。

ハンマーヘッド SHOP & RESTAURANT

食を中心とした多様なテナントが入居しており、新業態や初出店も多く見られます。2階にはコミュニティ放送局「横浜マリンエフエム」のサテライトスタジオも設置されています。

主なテナント:

QUAYS pacific grill（シーフード・ニューアメリカン）
スターバックスコーヒー
THE ALLEY（ティーストア）
セブン-イレブン
JAPAN RAMEN FOOD HALL（ラーメン）
ハングリータイガー（ハンバーグ・ステーキ）
ピーターラビットカフェ（ビュッフェレストラン）
ありあけハーバースタジオ（カフェ・スイーツ）
鎌倉紅谷 Kurumicco Factory（カフェ・スイーツ）
MIZUNOBU BROOK & FACTORY（フルーツサロン）
AINZ＆TULPE BEAUTY FACTORY / UNI COFFEE ROASTERY（コスメ・カフェ）

ハンマーヘッドパークと産業遺産

ハンマーヘッドパークは、ハンマーヘッドクレーン周辺に整備された多目的イベント広場です。ハンマーヘッドクレーンは、1914年に建造されたイギリス製のジャイアント・カンチレバークレーンで、日本に3基、世界でも17基しか現存しない貴重な産業遺産です。2007年に近代化産業遺産、2018年に土木学会選奨土木遺産に認定されています。クレーンは関東大震災でも倒壊せず、高度経済成長期に活躍しましたが、コンテナ化の進展とともに2001年に廃止されました。現在は、耐震性を強化した上で保存されています。

アクセス

横浜ハンマーヘッドへは、以下の公共交通機関でアクセスできます。

みなとみらい線：馬車道駅、みなとみらい駅
JR・横浜市営地下鉄：桜木町駅
横浜市営バス：「あかいくつ」、「ベイサイドブルー」
ロープウェイ「YOKOHAMA AIR CABIN」
水上バス「シーバス」

自動車の場合は、首都高速神奈川1号横羽線のみなとみらい出入口が最寄りです。施設には提携駐車場が3箇所あります。

周辺施設

横浜ハンマーヘッドの周辺には、以下の施設があります。

MARINE & WALK YOKOHAMA
横浜赤レンガ倉庫
安藤百福発明記念館 横浜
横浜みなとみらい 万葉倶楽部
横浜ワールドポーターズ
よこはまコスモワールド
* 汽車道

その他の情報

新型コロナウイルス感染症の流行により、2020年に一時休館しました。その後、ワクチンの大規模接種会場としても利用されました。

施設南東側には「新港ふ頭さん橋」が設置され、水上バスや小型船の発着が可能になっています。また、8号岸壁のリニューアル強化工事により、プレジャーボートも係留可能な「新港8号ビジターバース」が整備されました。

新港地区へのアクセス向上のため、「女神橋」や「ハンマーヘッドウォーク」が整備され、ロープウェイ計画も進められています。かつてこの地には「新港客船ターミナル」がありましたが、老朽化のため2010年に廃止されました。現在、提携駐車場が設置されているエリアは、みなとみらい21計画では緑地化が予定されています。

横浜ハンマーヘッドは、歴史と未来が融合する、横浜の新たなシンボルとして、多くの人々を魅了し続けています。

もう一度検索