毛安之

毛安之（もう あんし）

毛安之（生没年不詳）は、中国東晋時代の軍人です。字は仲祖。本貫は滎陽郡陽武県。

経歴

毛宝の子として生まれ、幼い頃から軍事の才能を発揮しました。撫軍参軍、魏郡太守と順調に昇進し、会稽王司馬昱が輔政の任につくと、その護衛を任されるほどに信任を得ました。

咸安元年（371年）、司馬昱が簡文帝として即位すると、毛安之は兵を率いて皇帝の車駕に従い、宮中の警護を担当しました。その功績により、游撃将軍の号を授けられます。

咸安2年（372年）には、庾希が反乱を起こし京口に侵入。都である建康を守るため、毛安之は督城門諸軍事に任じられ、城門の守備を指揮しました。

孝武帝が即位した後、盧悚の反乱軍が宮中に侵入するという事件が発生。毛安之はただちに兵を率いて雲龍門から宮中に駆けつけ、皇帝を守るために奮戦しました。左衛将軍の殷康や領軍将軍の桓秘らの援軍が到着すると、彼らと協力して盧悚の一党を鎮圧し、反乱を鎮めることに成功しました。この功績により、右衛将軍に昇進しました。

太元3年（378年）、謝安と共に宮室の改築を監督し、その功績により関中侯に封じられました。太元5年（380年）に皇后の王法慧が崩御すると、将作大匠を兼任しました。

在官のまま亡くなり、その功績を称えられ、光禄勲の位を追贈され、平都子に追封されました。

子女

毛潭（平都子、江夏国相）
毛泰（太傅従事中郎・後軍諮議参軍、冠軍将軍・堂邑泰山二郡太守）：司馬元顕と不仲であり、後に桓玄が挙兵すると、司馬元顕を捕らえましたが、後に桓玄によって殺害されました。
毛邃（游撃将軍）：桓玄に殺害されました。
毛遁（太傅主簿）：兄たちが桓玄に殺害された後、広州に流されました。義熙初年に建康に戻り、宜都郡太守となりました。

脚注

* 『晋書』巻81 列伝第51

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