浅虫温泉

浅虫温泉

浅虫温泉は、青森県青森市浅虫に位置する温泉地で、陸奥湾に面した風光明媚な場所にあります。古くから「東北の熱海」「青森の奥座敷」として親しまれ、海水浴やスキー、水族館などのレジャー施設も充実しており、多くの観光客で賑わっています。

泉質

泉質は、ナトリウム・カルシウム-硫酸塩-塩化物泉です。神経痛、リューマチ、婦人病などに効能があるとされています。源泉温度は平均63℃で、源泉かけ流しの温泉を楽しむことができます。

歴史

浅虫温泉の開湯伝説は、慈覚大師（円仁）または円光大師（法然）による発見説が伝えられています。かつては「麻蒸」と表記され、アサを蒸していたことに由来するとされています。江戸時代には、弘前藩の御休所として利用され、藩主も訪れるほどの由緒ある温泉地でした。

開湯の伝説

菅江真澄の記録によると、温泉は「烹坪」と呼ばれ、アサを蒸して繊維を取るために利用されていました。火災が頻発したため、「蒸」の字を忌み、「浅虫」と書き表すようになったと伝えられています。また、法然がシカが湯に浸かって傷を癒すのを発見したという伝説もあります。

近世

江戸時代には温泉地としての言及が増え、弘前藩の御休所として利用されました。藩主が青森や外ヶ浜を巡察する際に立ち寄り、入浴したとされています。当時の本陣が、現在の「柳の湯」であると伝えられています。

近現代

明治時代に入ると、東北本線の開通により交通の便が向上し、温泉地は発展を始めました。八甲田雪中行軍遭難事件の生存者や日露戦争の傷痍軍人らが療養に訪れ、その名が広く知られるようになりました。大正時代には、浅虫水族館が開設され、観光地としての人気を高めました。

文化

浅虫温泉は、多くの文化人に愛されてきました。高浜虚子、秋元不死男、太宰治、棟方志功などが訪れ、作品を残しています。また、浅虫温泉を代表する郷土菓子「くじら餅」は、土産物として人気を集めています。

「東北の熱海」

浅虫温泉は、海辺に位置し、小島が浮かぶ景観が熱海温泉に似ていることから、「東北の熱海」と呼ばれるようになりました。明治時代から歓楽地として発展し、多くの観光客が訪れる温泉地となりました。

源泉の一元管理化

温泉地の発展とともに、源泉の乱掘が進み、泉質の低下が問題となりました。そのため、1966年に源泉を一元管理する浅虫温泉事業協同組合が設立され、源泉の保護に努めています。この取り組みは、日本における源泉管理の成功例として知られています。

近況

近年、利用客の減少が課題となっていますが、地元では温泉地の復興に向けて様々な取り組みが行われています。温泉熱を利用した地熱発電の検討や、新たな観光資源の開発などが進められています。

施設・催事

温泉施設
松の湯
ゆーさ浅虫（道の駅浅虫温泉内）
観光施設・観光地
浅虫ヨットハーバー
サンセットビーチあさむし
青森県営浅虫水族館
夢宅寺
陸奥湾展望台
祭事・行事
湯の島カタクリ祭り（4月）
浅虫温泉ねぶた祭り（7月中旬、8月14日）
浅虫温泉花火大会（8月1日）

アクセス

鉄道：青い森鉄道線浅虫温泉駅すぐ。
バス：青森市営バス・下北交通で道の駅ゆ〜さ浅虫前下車すぐ。
車：青森市街から国道4号で約30分。青森自動車道・青森東IC利用。

浅虫温泉は、豊かな自然と歴史、文化が融合した魅力的な温泉地です。ぜひ一度、訪れてみてください。

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