濁河温泉

濁河温泉

岐阜県下呂市、旧益田郡小坂町の山あいにある濁河温泉は、下呂温泉から遠く離れた場所に位置する秘湯です。標高1800mの御嶽山7合目に温泉街があり、自家用車でアクセスできる日本最高所の温泉の一つとして知られています。

泉質

泉質は含土類芒硝泉で、鉄分による茶色のにごり湯が特徴です。この独特の湯の色は、かつてツムラの入浴剤「日本の名湯」のモデルにもなりました。当時は「奥飛騨の湯・濁河」として販売され、奥飛騨温泉郷の一つと誤解されることもありましたが、2006年には「日本の名湯 源泉の愉しみ」として「濁河」の名前で復活しました。

温泉街

濁河温泉は、御嶽山の飛騨側登山口（小坂口）として、登山シーズンには多くの登山客が訪れます。濁河川沿いには数軒の旅館と市営の露天風呂があり、高所かつ周囲に市街地がないため、光害が少なく、星空が非常に美しいことで知られています。そのため、屋上に天体望遠鏡を設置した宿もあります。

周辺は亜高山帯原生林が広がり、遊歩百選にも選ばれた探勝路が整備されています。コマドリ、オオルリ、メボソムシクイなどの野鳥が生息し、仙人滝、緋の滝、白糸の滝などの景勝地も点在しています。この一帯は御嶽自然休養林に指定されています。

かつては岐阜県立御嶽少年自然の家がありましたが、2010年度に廃止され、現在は御嶽濁河高地トレーニングセンターとして利用されています。

以前、御嶽山を挟んだ長野県側にあった濁川温泉と混同されることもありましたが、濁川温泉は1984年の長野県西部地震による土石流で埋没しました。

名前の由来

濁河温泉の名前は、草木谷と湯ノ谷が合流し濁河川となる地点で、それぞれの水が混ざり合って白濁することに由来します。元々は透明な水ですが、含有成分の違いから化学反応を起こし白濁すると言われています。

歴史

濁河温泉の発見は江戸時代中期と伝えられています。

1983年（昭和58年）3月28日には、湯屋温泉、下島温泉と共に、小坂温泉郷の一部として国民保養温泉地に指定されました。

交通アクセス

鉄道の場合、高山本線飛騨小坂駅から送迎バスまたはタクシーで約80分です。夏季には中央本線木曽福島駅からおんたけ交通バスが運行されていましたが、2020年3月末に廃止されました。

自動車の場合、中央自動車道中津川ICから約150分です。下呂市に属しますが、長野県木曽方面からのアクセスが比較的良く、権兵衛トンネルの開通により伊那ICからのアクセスも便利になりました。

その他

御嶽山開き
毎年6月15日には、御嶽神社飛騨里宮で御嶽山開きが行われます。地元伝統芸能の金蔵獅子が奉納されます。

御嶽マラソン
かつて、毎年10月の体育の日付近の日曜日に、御嶽マラソンが開催されていました。下呂市小坂振興事務所を起点とし、御嶽パノラマラインを通過して濁河温泉まで、日本陸上競技連盟公認の42.195kmコースで行われました。標高差1000mを超える過酷なマラソンとして有名でしたが、2010年から中止されています（最終開催は2009年）。

脚注

関連項目

温泉
温泉街
外湯
温泉番付
* 日本の温泉地一覧

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